ルポ外国人マフィア~勃興する新たな犯罪集団 / 真樹哲也


 「暴力団対策法」施行により暴力団は衰退。新たな犯罪集団として登場した「半グレ」や「外国人マフィア」。特に外国人マフィアが関与する犯罪はとても増えている印象です。

 本書では著者自身が「外国人マフィア」に、自ら飛び込んでいき、体当たりの取材。文章の装飾はあると思いますが、よく死なないで済んだなと思うような、そんな出来事がいくつか登場します。その分、逆に恐ろしさを感じられる内容です。

 ベトナムマフィア、ネパールマフィア、ブラジルマフィア、ナイジェリアマフィア、フィリピンマフィア。メンバーに接触し、インタビュー。時には脅迫を受け、暴行を受けることさえある。

 著者はあとがきでこの様なことを書いています。

 暴力集団の原点は、日本社会からドロップアウトした者たちの集合体である。 外国人であれば、差別と偏見に溢れる日本社会で生き抜くことは過酷極まりない。仕事がなく金を持っていなければ、どうしようもなくなる。何が善悪かは関係なく、仲間たちと連帯し飯を食うために犯罪をする。それが生きる手段であるからだ。

 これから日本は少子高齢化と労働者不足を解消するために、出入国管理法を改正してまで、外国人を利用する政策を推し進めている。しかし、外国人を受け入れる態勢が日本に整っているのだろうか。私は否であると思っている。そうであれば、日本社会からドロップアウトする外国人の増加は免れない。

 私は岩手県の田舎で生活する人間です。生活する上で「外国人マフィア」を感じることは無い。重機を売って欲しいと、会社に訪れる外人が煩わしいと思う程度です。

 田舎で良かったと思う反面、あの「アマってるキカイ、かいまぁ〜す!」と私に言い寄って来る外人が、マフィア化して行ったら、どうなるのか。そんな危機感を与えてくれる1冊でありました。

17 th in January / 17 th in 2024