学校裏サイト―進化するネットいじめ / 渋井哲也


「いじめ自殺」

子どもたちがいじめを苦にして自殺する。

「いじめ自殺」が注目されるようになったのは、1986年2月、東京都中野区の中学二年生、鹿川裕史君(享年14歳)が自殺してからだという。  

父親の故郷、盛岡のターミナルビル地下1階のトイレで、鹿川君が首を吊って自殺をしているのが発見された。

当時、盛岡で高校生だったワタシは、今同様、ウンコ垂れ だったのでこのトイレを何回も利用したことがあったので、よくこの場所を覚えている。

事件後はしばらく、使用禁止になっていたが、使える様になってから何回か、友人と見に行った記憶がある。笑

本書が発表されたのは2008年。今の様にスマホが主流ではなく、ろくなSNSもない時代で、ガラケーの時代です。

本書の中心は「学校裏サイト」

学校の公式なサイトとは別に、誰かがサイトを立ち上げる。

公式では話せないが、有意義な情報も飛び交う一方、

特定の人物の攻撃にも利用される。

現在はどのように進化しているのか。

だれもが取得できるURLというインターネットの住所。本書が執筆された頃より、その「住所」という存在は何百倍ものレベルの数が存在するだろう。

当時から生き続け、交流に利用されている「URL」はどれほど存在するのか。

少年少女がネットを活用することは、もう止められないのは、紛れもない事実です。しかし、大きな問題と隣合わせであるのは間違いない。

しかし、現状でその対応策は見えて来ないし、対応は後手後手にまわり、明らかに技術進歩や利用する側の多様化に、教育的にも道徳的にも、対応ができるレベルでなくなっている。

しかし、本書のように、いま何が起きているのか。現状を把握、理解し、その蓄積を記録に残して行くことは、意義があるのでは無いだろうか。

そんなことを感じさせてくれる内容でありました。

今という瞬間の、狭い範囲で起きている事実。

こんな時代だからこそ、書籍に残していく価値はあるのかもしれませんね。笑

32 th in July / 215 th in 2023