むらさきのスカートの女 / 今村夏子_2nd


先日、芥川賞受賞作「ハンチバック/市川沙央」を読んだ。

芥川賞を読むと思い出す。

今村夏子。

再度、読んでみたくなり、復習です。笑

本編は前に読んだ印象と同じ。

不思議な雰囲気、詳細不明、

なのに引き込まれていく。

主人公なのかよくわからない、語り手の、

「黄色いカーディガンの女」

そして、主人公が執拗に追いかけるどころか、

ほぼストーカーの標的になっている、

「むらさきのスカートの女」

いったいこの語り手の女は何者なのか。

この世界でどう生きているのか。

実在するのか。守護霊なのか。笑

こんな設定だけ聞くと、突拍子もない物語を連想するかもしれないが、始まると同時に作品の構造と表現に魅了され、引き込まれていく。

語り手が女を執拗に観察し表現する。

それを、読解しようと努力する。

語り手を通じて、読者も語り手と女を観察する。

しかし、女を理解、読解出来ないまま進んでいく。

前にも書きましたが、

「今村夏子恐るべし」です。笑

今村夏子さんの小説は沼にハマって何冊か読んだ。

「こちらあみ子」

「星の子 」

「あひる」

本書の巻末で、彼女のエッセーを紹介してます。

エッセーなのに、

「今村夏子ワールド全開」

そんな印象です。

「星の子」は映画化にもなり、芦田愛菜が主人公を演じて万人受けするイメージがありますが、結末はとても不思議な終わり方です。

次を期待させるわけでもなく、

わかりやすいハッピーエンドもなく、

とても不思議な終わり方。

小説を読まない人でも、「星の子」の映画を見れば、

私のいう、「今村夏子恐るべし!」

少し理解してもらえると思います。笑

29 th in July / 212 th in 2023