ミス・パーフェクトの憂鬱 / 横関大

 ミス・パーフェクトシリーズ。3冊目。前作2冊同様、様々な問題を斬新な手法で解決していく姿が、とても爽快でスッキリさせてくれる。そんな内容でございました。こんな人がいたら、是非ご一緒にお仕事でもしてみたい。そんなふうに思う人が多いことでしょう。

 主人公の真波莉子は、元厚生労働省のエリートキャリア官僚で、頭脳明晰・完璧主義者として「ミス・パーフェクト」と呼ばれる女性。総理大臣の隠し子であることが発覚し、官僚生活を追われた後も、さまざまな職場を転々としながら、口癖の「その問題、私が解決いたします」を胸に、社会の難問に果敢に挑み続ける。

 本作も前作同様、問題別に分けられた、短編の連作形式で4つのエピソードからなり、現実の社会問題を題材にした「世直し」ストーリーが展開されています。

第一問: 社員の介護離職が相次ぎ、経営危機に陥っている零細出版社の立て直し。

第二問: パワーハラスメントやセクハラ発言が問題となった町長のスキャンダル。莉子がユーモアを交えた大胆なPR策で町の魅力を再構築。

第三問: 自殺者が出るほど過酷な環境が続く伝統的な舞踏団の旧態依然とした体質改善。

第四問: 製品への異物混入事件で信用失墜した製菓メーカーの危機対応。

 とても印象的だったのは、第一問の「零細出版社の立て直し」だろうか。結果はネタバレになるので、詳細は書きませんが、立て直しはせず事業譲渡し再就職の斡旋をする感じです。それを「案を出し合い競った相手」にも、協力してもらい、結果「Win-Win」の関係になる感じが、とてもお見事でございました。
 完璧に見える莉子自身にも、前2作には感じられなかった「憂鬱」な一面も描かれています。過労で体調を崩したり、家族関係で揺らぐ姿、料理が苦手でそれを克服する様子など、人間らしい弱さや悩みが強調され、前2作よりすこし親しみやすいキャラクターも感じさせてくれます。

 それでも、柔軟な発想、行動力、そして周囲の協力で、全ての問題を爽快に解決に導きます。シリーズらしい痛快なエンターテイメント性に加え、ミステリー的な謎解き要素や社会風刺が織り交ぜられ、とてもスッキリする読後感の良い一冊です。

 現実の時事問題を巧みに取り入れつつ、莉子の成長や人間味が深掘りされている点に、とても魅力を感じさせる、そんな1冊であり、そんな「ミス・パーフェクト」シリーズ3冊でありました。