本書は医者本人という立場から、クリニックの選び方のコツ、から最期の看取りまで、医者という当事者目線で、いろいろと語られています。超高齢社会を迎え、身近になった医者と患者。しかし、「長すぎる待ち時間」「冷たい医者の態度」など患者の不満や不信は尽きない。ただ、医療側にもそれなりの「言い訳」があるということで、そんな裏事情も知ることが出来ました。
医者に必ず、質問しておくべきこととして、「予後」と「診断」というのは、大変に勉強になりました。
「予後」とは、診断された病気が、今後どのように経過していくか、どれくらいの期間生存できるかなどの見通しのこと。例えば、「予後良好」「予後不良」「余命」といった使われ方をする。
「診断」とは、患者の症状や検査結果に基づいて、病気の種類や状態を特定すること。例えば、「風邪と診断された」「胃がんの診断を受けた」といった使われ方をする。診断は、治療方針を決定するための最初のステップ。
「診断」が先で「予後」があとではないかと思い、読み進めましたが「診断」が確定しないまま治療したり、経過観察をする場合があるのであくまでも「予後と診断」というらしい。
そのほか、Googleのクチコミは当てにならないとか、診たくない「迷惑患者」がいるとか、「ご臨終です」と告げるとき、何を考えているとか、市販薬でも十分だとか、手術の「袖の下」のはなしとか、とても興味深く読まさせていただきました。
最近、とある病気でお医者さんにお世話になりました。とても痛かったですが、人生最大のネタが出来たような気がして、とても感謝でしかありません。
「予後」として紹介状はいただきましたが、「診断」はされませんでした。これから医者にかかるときは、本書で知り得た知識を生かしつつ、お医者さんには感謝を忘れずにしようと思います。