政治家は悪人くらいでちょうどいい!/ 乾正人

 政治家に健全性やクリーンさを求めるメディアの風潮は、政治家の迫力や実行力を奪っていく。しかし、田中角栄が推し進めた「日本列島改造論」により新幹線や高速道路網が出来たように、悪いくらいの政治家こそが活躍できるのでは無いかと著者は説いています。

 クリーンな政治家は数え切れないほどいたが、そのほとんどは、悪いことはしないが、善いこともできなかった。クリーンで善人な政治家だけでは、ますます厳しさを増す世界情勢やかつてない少子高齢化社会を乗り切っていけないのではないかという。

 今こそ、大急ぎで「悪党政治家」を有権者が育てねばならない。有能な「悪党政治家」はエネルギーがあり余って暴走したり、失言したりしがちであるが、できれば、ごく些細な醜聞なら大目にみてやってほしい。政治家は悪人くらいでちょうどいいのだから。

 私もその様なことを、テレビのニュースなどを見てはいつも感じている。特に政治家の失言とか、さもさも悪気をもってしゃべったかのように編集をして、そこだけを繰り返し放送する。全体を通してみれば、大したことが無いようなことでも、繰り返し放送することで視聴者を洗脳する。

 そもそも失言や言い間違いは誰にでもあることで、そんなことで揚げ足をとったところで、なにも良くならないし、それよりその政治家が何をやったかの方を取り上げるべきなのではないだろうか。

 本書ではトランプに始まり、たくさんの政治家を取り上げていましたが、気になったことをメモしておこうと思います。

 「一番乗りの策士 小林鷹之」という節があった。総裁選で立候補を一番最初にして、一躍全国区の顔になった小林鷹之。「コバホーク」という愛称までつけて総裁選に臨むあたりはなかなか策士だと書いてあった。

 「悪党になることが総理の道、高市早苗」という節もあった。安倍元首相に贔屓にされていた高市早苗。YouTubeなどにも結構出ていて、その話す内容は結構ぶっちゃけています。著書も何冊か読んでいますが、とても勉強されていて、総理大臣になったら組閣するのは経験では無く、何をどれくらい勉強している国会議員なのかで組閣すると書いてありました。

 私は知っていましたが、安倍首相が暗殺されたの奈良市は高市の選挙区です。そんなに劣勢ではなかったのに、高市の強いのぞみで安倍元首相は奈良に2回目選挙区に入り凶弾に倒れました。親族以外の中で安倍氏の死を誰よりも悲しんでいると云われています。

 そんな安倍元首相のあと、総理らしい総理が出てこないここ何年、前回の総裁選で石破に負けたのは残念でしたが、石破はドデーなしすぎるので、次に期待したいと思います。でも今調べたら64歳のようです。少し遅いかもしれませんね。(笑)

 まぁ誰でもいいし、悪くてもいいので、まともな日本にしてほしいのを祈るばかりです。

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