わたしの、本のある日々 / 小林聡美

 青春時代の思い出は強烈なのか、著者のイメージは「やっぱり猫が好き」の三女役です。1988年10月11日から1991年9月21日まで、フジテレビ系列で放送されていた、3人の姉妹が暮らすマンションの一室を舞台としたシチュエーションコメディドラマで、長女役をもたいまさこ、次女役を室井滋、三女役を小林聡美が演じていたものです。

 詳細の内容は思い出せないが、毎週楽しみにしていたのを覚えているし、まわりにもこの番組を好きだった人が多い印象は残っています。

 本書は著者が2016年から「サンデー毎日」に月に一度連載してきた、読書のアウトプットをまとめたもので、本を交えたエッセイ的なものになっています。

 紹介している本は、『東京いつもの喫茶店』(泉麻人)、『本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた』(横尾忠則)、『俳句、はじめました』(岸本葉子)、『「来ちゃった」』(酒井順子・ほしよりこ)、『私の暮らしかた』(大貫妙子)、『わたしのごひいき』(高峰秀子)、『猫的感覚』(J・ブラッドショー)、『自然のレッスン』(北山耕平)、『デザイナー渋井直人の休日』(渋谷直角)、『極上の孤独』(下重暁子)、『選ばれる女におなりなさい』(デヴィ・スカルノ)、『樹木希林のきもの』、『猫を棄てる』(村上春樹)などなど。残念ながら私が読了済みのものはありませんでした。

 私もこうやって、読書のアウトプットをしているのでとてもわかりますが、本の内容についてだけ書こうと思うと、なかなか書けないので、自分の生活の中にあるエピソードを交えて行くあたりは、あるあるだととても共感をさせていただきました。

 著者も読まなければならない、書かなければならない。そんなプレッシャーとたたかう様子が綴られています。私もいろんな人に「よくそんなに読んで、そんなに書きますね。」と、いわれるときがあります。私は出版されるような所に出すものでは無く、自分の記録としてやっているで、著者ほどのプレッシャーはありますが、それでも案外大変なんですよ。そんなことが分かってもらえる本書だと思います。

 著者が読んで紹介している本で、私は何も読んでいませんでした。興味が出たのは泉麻人さんと樹木希林さんです。せっかくなので、なにか1冊でも読んでみようと思います。

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