現在のように電子マネーが一般的ではなかった、20年くらい前の本ですが、「得をする生活」について、いろいろと説明されています。
お金は新興宗教のようなものだと書いてありました。1万円札は日本国の資産を担保に発行されている。昔は貨幣の担保として中央銀行は金を保有していたが、現在の担保は日本国債。国債というのは国家の借用証書で、それを持っていくと貨幣と交換してくれる。貨幣は国債によって担保され、国債は貨幣で担保されている。これは新興宗教の教祖が、「私が神であることは神である私が知っている」と述べるのと同じ理屈だという。
日本国民全員が、日本の貨幣には価値があると信じ込んでいるからこそ、様々な取引が成り立っている。ブツブツ交換しなくても、その信じる「貨幣」という「引換券」のようなもので、世の中は成り立ち、みんな依存していくという考えです。
クレジットカードと時間の関係性が書かれています。利用者は後から払うという「時間」を買っている。一括払いの場合、利息や手数料は一切不要。実はこれは驚くべきことであり、金融の世界では「時間」は無料で購入できないことになっている。クレジットカード会社、クレジットカードを使われる店、クレジットカードを使う人の、関係性について書かれており、理解できたので少しかしこくなりました。笑
資本主義経済は、すぐに使う予定のない資金を持つ人と、何らかの理由で資金を必要とする人との間で貨幣の貸し借りが行われることで拡大していく。私もすぐに使う予定の無いお金がたくさん欲しい。笑
貨幣経済とは貨幣で幸福を購入するシステム。より多くの貨幣を獲得すれば、より多くの快楽を手にいれ、欲望を満足させることができる。人間の欲望には限りがなく、人々はより多くの貨幣をもとめて市場ゲームに参加する。欲望が経済を拡大させ、社会を豊かにする。私たちは皆その恩恵を受けているという。
先日読んだ「GRATITUDE (グラティチュード) 毎日を好転させる感謝の習慣/スコット・アラン」のいう「欠乏意識から抜け出せる」ということと、真逆な方向であり、それはそれで正しいのだろうか。そんな自問を問いかけたくなりました。笑
不動産にプライバシーはないという。住所を調べて法務局へ行けば、見知らぬ隣人の不動産登記簿を、匿名で閲覧することができる。債権額や借入日、ローン金利までが登記簿の記載事項になっています。私も仕事柄、法務局に行って調べますが、これは本当です。借金の担保に入ってるとか普通に見ることができます。
そして、不動産を所有したり、投資したりするということは、国や自治体に余分に税金を納めるということであり、国が国民に持ち家を奨励する理由の一つがここにあるという。
私は借家住まいです。笑 社長なのに、なぜ家を建てないのか。そう、よく聞かれることがありますが、たまにこんな本に遭遇することが、大きいんだと思います。笑
6月16冊目_2024年131冊目