本の紹介文に著者からこんな問いかけがあった。あなたは、次の理由で野菜を選んでいませんか?だとしたら、あなたの野菜選びは間違っています。
・JASマークが付いている
・有機栽培と表示がある
・無農薬だったら安心
・有機野菜だから安全
・オーガニックは栄養がある
・大きい野菜の方がお得
・色の濃い野菜は栄養価が高い
・みずみずしさは新鮮さの証
・甘味がつよいのは美味しい証拠
・形や大きさが揃っているもの
オーガニックや無農薬、有機栽培の野菜だったら、「安全で信頼できて美味しい」と思っていないか。「化学肥料じゃなくて有機肥料だったら安全」そんなふうに思っていないか。そんなことはまったく無いと断言しています。
オーガニックや有機栽培の表示の基準は実に曖昧であり、農薬や化学肥料を使った野菜でも、オーガニックと表記する場合がある。有機栽培やオーガニックは、イコール無農薬と思い込んでいる人も多いと思うが、それは勘違いだという。
また、「化学肥料ではなく有機肥料であれば安全」というのも間違っており、どう作られた有機肥料なのかが、ポイントになる。そんなことを知っている消費者はまずいない。
そもそも、手つかずの自然のなかで、植物は、肥料を与えられながら育っているのか。「自然のなかでも動物たちの糞や死骸が植物の成長を助けている」と考えることはできるが、田畑に撒かれる動物由来の有機肥料の量は、自然のそれと比べ適切なのか。
人間の手が入れば入るだけ、土のミネラルバランスは壊れていく。バランスが壊れるから、農薬が必要になり、肥料が必要になる。「無農薬無肥料」で作られた野菜を食べる。それが、最も健康で安全な選択だと著者はいう。
自然栽培された野菜は腐ることなく枯れるのに、作られた野菜が腐ることは異常だという。確かに山の中で腐敗臭を感じることは無い。それくらい、野菜が腐るのは不自然なものなのだという。
「F1種」について触れていました。植物の種には、自家採取などによって代々植物の持つ性質や形といった形質が受け継がれた「固定種」、異なる優良な形質を持った親をかけ合わせて、場合により遺伝子組換えなど行い作る「F1種」という2つの種類がある。
固定種は、その品種が固定された地域の気候や風土に適応しているのが特徴で、全国各地で栽培されている「伝統品種」と呼ばれるものは固定種であることが多い。また、形状や収穫時期にばらつきがあり、スーパーで並んでいる野菜などと比べると、形や味などが多様性を有している、悪い言い方をすれば不ぞろいという特徴がある。
一方でF1種は、「雑種第一代」や「ハイブリッド」とも呼ばれる。これは植物において「優性と劣性(品種が優れているか劣っているかということではない)の品種を交配して採種した種には、必ず優性の形質を持った種ができる」という、メンデルが発見した「優劣の法則」を利用した技術だ。また、F1種から採種した種はさまざまな形質を持つものとなるため、実質的に自家採取することはできない。
昭和初期までは一般的であった固定種の野菜は、現在では一部の農家や家庭菜園などでしか見ることができない貴重な存在とも言える。私たちがスーパーなどでよく見る野菜のほとんどがF1種の野菜で、農家は種苗会社から毎年種を購入し野菜を育てているのが現状。
野菜は種を取ってもらう。すなわち子孫を残してもらうため、自分のおかれている環境に対応することはもちろん、美味しくなろうと自助努力するのだという。なのに種を取らずに次の年には新しい種を購入して作付けする。
気になってググったら、この50~60年の間にタネの国内自給率99%だったものが、10%以下になったらしい。日本の野菜の自給率は80%と言われているが、種が10%以下とは、誰が考えてもおかしいですね。笑
野菜には元々本来のサイズがあり、肥料で太らせても、細胞が大きくなるだけで味や栄養が薄まってしまうという。見た目ばかり良くても、本当の味でなければ、体に有害なものが含まれているのかも知れない。人間に例えれば、ドーピングして仕上げるボディービルダーのようなものだろうか。笑
2000年、39歳の若さでなくなった、マッスル北村を思い出した。笑 野菜の本を読んで、マッスル北村を思い出す。そんな貴重な体験が出来て良かったです。笑
5月13冊目_2024年103冊目