お金のニュースは嘘ばかり 厚労省・財務省から外国人投資家まで / 高橋洋一

 著者の本は何冊か読んでいますが、それよりとにかくSNSで、毎日の様に見かけますので、みなさんも見たことがあるでしょう。財務省叩きだとか、国債のウソ的な論調が多いのが著者の特徴です。

 日本人の手取り収入がなかなか増えず、負担ばかりが重くなっている根本的な原因を、政治家や官僚、マスコミが繰り返し流布する「お金」に関する数々の嘘や誤った俗説があると鋭く指摘した一冊です。

 著者は元財務省官僚で、現在は嘉悦大学教授として知られる経済学者。本書では、最近の経済ニュースや政策でよく取り上げられる年金、NISA、国債、住宅ローン、食料品の消費税、給与や雇用の低迷、円安批判、最低賃金引き上げ、医療費負担、トランプ関税時代の対応など、さまざまなテーマを扱っています。

 それぞれについて、政府・厚生労働省・財務省・メディア・評論家・外国人投資家などが発信する情報が、実は国民をミスリードする罠や嘘に満ちていると、データと論理を駆使て、一つひとつ丁寧に解体しています。

 たとえば、財務省はどんなときでも増税の機会を狙う思考が染みついており、減税や規制緩和を嫌う傾向が強い。

 厚生労働省が医療費の自己負担率引き上げを進めようとする動き、オールドメディアは「令和不況」を隠すような報道を続け、円安や本当の賃上げの可能性を否定するような発言を繰り返す。

 「賃上げは無理」「円安は悪」といった言説が横行する背景には、各方面の悪意や自己保身があり、それが結果として国民の手取りを減らし、雇用や経済成長を停滞させていると分析しています。

 こうした嘘や俗説の数々を見抜くことが、投資や資産形成を考える上で何よりも先に必要なことだと強調し、最終的には「国民の手取りを本当に増やす」視点を提供してくれる内容です。
 主流派の経済論とは大きく異なる反骨的な立場から、現状の報道や政策を痛快にぶった切るスタイルで書かれており、経済ニュースに疑問を感じている人にとっては、読み応えのある一冊となっています。

 本書は「お金」という題材に注目し、とても広範囲にわたり解説しています。財務省のこと、NISAのこと、社会保険のことなど、個別の本を読む前に全体的なことを理解するために読むことを、とてもオススメします。

 少なくとも、池上彰さんの本を読むくらいなら、高橋洋一さんの本を読んでください。(笑)