Ai愛なんて大っ嫌い/冨永愛

 著者が32歳のときに書いた自伝エッセイ的な本書。幼少期の父親との断片的な記憶、奔放な母親に翻弄された日々、身長ゆえのいじめ、荒れた反抗期を経てモデル業界へ。

 アジア人差別や偏見の中、怒り・憎しみ・復讐心を原動力に世界のトップモデルとして駆け上がった。恋愛・結婚・出産・離婚、ファッション業界への違和感、引退宣言、そして母としての葛が描かれています。

 モデルという一見華やかな世界。それに反してとても貧乏だった子供時代。次々と男を変える毒親の母。そして背が大きいという理由で受ける壮絶なイジメ。包丁を手首にあてた時もあったという。

 そんな「怒り」を「復習」へとシフトする。怒りをバネにして、今までイジメたやつに殺意すら抱いています。

 私もデカイ。イジられた時はさんざんあるが、それをネタにイジめられた記憶は無い。男で良かった。(笑)

 著者は背が伸びないためなら何でもやったといい、中学生のときからショートホープを吸っていたという。(笑) それでも身長は止まらなかった。吸い始めからショートホープとは、なかなかカッコいいじゃねーか。(笑)

 私もタバコを吸いはじめた時は、168センチくらいだった記憶がある。デカくなる奴はデカくなるのだ。(笑)

 人のレビューを読んでいると、本書を「成りあがり/#矢沢永吉」とダブらせて語っているものがありました。矢沢ほど周りに冷酷ではありませんが、私も同感です。怒りをバネにのし上がって行く姿。そのおかれる環境の変化など。成功、恋愛、結婚、出産、離婚、引退。そして息子への愛情など。

 彼女の心境の変化から葛藤。とても深く感じ取れる自叙伝です。当たり前ですが、成功する人は簡単に出来ていない。とてもパワーを貰える内容でありました。ファンになる程ではありませんが、今度テレビで彼女を見かけた時、とても優しい気持ちで見れると思います。(笑)