「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論 / デヴォン・プライス

 怠惰(たいだ)すべきことをなまけて、だらしない性質・様子のことをいう。少なくとも私は、普段使う言葉ではない。本書のその「怠惰」にフォーカスして、人はそんなに働かなくていいし、価値は外からの評価で決まらないし、すべてに詳しくなくていい、すべての人を助けなくてもいいなどと説いています。

 「怠惰」であることに罪悪感を味わう必要はない。なぜなら「怠惰=悪」は植え付けられた “信念” に過ぎず、しかも誤っているからだという。

 「怠惰のウソ」として、 人の価値は生産性で測られ、自分で限界だと思っても信じて行けない。もっとできることはあるはず。

 オーバーワークが常態化して、燃え尽き症候群やうつ病になってしまう。スマホ疲れやSNS疲れ。格差の拡大と競争社会の激化する現代を生きる私たちの中には、怠惰になることこそ大事なのではないか。

 どうして私たちは「怠惰」であることを恐れるのか。本書の題名をみると「怠け=正義」の様な印象を受けますが、私の読んだ印象は頑張っている人に、もう少し気を抜かないと疲れるよ。そんな定義をしている印象です。

 本の解説にこんなことが書いてあった。

 自分自身が価値ある人間であるという感覚を取り戻し、「怠けること」の罪悪感から抜け出して、あなたにとって「幸せな人生」とはなにか? を再考したくなることだろう。

 私は経営者なので「怠けること」は罪悪感というレベルでは無く、してはいけないことだと思っている。私が怠けたら会社はどうなるのか。日々、恐怖と孤独に戦っているのだ。(笑) 一応、知識としては覚えておくが、私はできないと思った。そして従業員に読んでほしくない本だと同時に思いました。(笑)

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