本書を読む前に著者の「話す力 心をつかむ44のヒント」を読んだ。その中でも触れていましたが、本書「聞く力」の二番煎じで出版した経緯が書かれてありました。そんなこともあり、それだったら「聞く力」を読んでアウトプットしてから「話す力」をアウトプットしようと思い手にとりました。
本書の感想は、ほぼ「話す力」と同じです。(笑) しかし、デーモン閣下との対談を紹介していましたが、とても書き留めておきたいことがあったので、メモしておこうと思います。(笑)
ワタシはヘビメタに熱狂していた時代があった。うっすらと、ヘビメタのイメージは持っていたが、デーモン小暮のヘビメタ解説がわかりやすい。著者が閣下の相撲解説がとてもわかり易い話題に触れる前、ヘビメタについて聞いたらとてもわかり易く、腑に落ちたというそんなエピソードが紹介されています。
あの、ヘビメタって何ですか? すると驚きましたよ。デーモン閣下は親切、しかも説明がお上手。私のようなロック素人相手に、それは分かりやすく教えてくださったのです。
ははは、ロックというのは分かりますね。最初に私に優しく断りを入れてから、こんな風に話してくださいました。
ロックが色々な枝に分かれていく中で、速さと激しさを追求したものをハードロックと言うんですね。ガンガンガンガン、ガガンガガンガガン、タタンタタン、バンバンバンっていう感じ。ほうほう。じゃあ、速くて激しければ全部ハードロックなのかというと、そうではなくて、そこからまた枝葉が分かれていって、速くて激しいけれどドラマティックであったり、行々しい決め事を取り入れる。
例えば、クラシック音楽のワンフレーズを持ってきて、あるポイントに来たら全員がちゃんと、ダダダダーンみたいに、ベートーベンの運命のメロディーをぴったり合わせる。そういうのを様式美と言うんですけどね。
はあ。簡単に言うと、様式美の要素を入れないと、ヘビーメタルとは認定されないんです。ハードロックに様式を持ち込むと、それがヘビーメタルになるというわけ。
そうか、ヘビーメタルって知的なんだ。もっとはちゃめちゃな音楽かと思ってた。
はちゃめちゃなのはパンク。速くて激しいけれど、上手く歌ったってしょうがないじゃん。上手に歌うことに何の意味があるんだ、ってのがパンク。だけど、ヘビーメタルは上手じゃないとダメなの。
もう一つ疑問に思ったことがありました。まるで優秀な家庭教師のように教え方が上手な閣下の優しさにつけ込んで、私はさらに質問します。CDを聴いていて思ったんですが、こうしてお話ししているデーモン閣下は、ものすごく低音の波声なのに、歌を歌っているときの閣下の声は、ボーイソプラノのように高くないですか?どうしてなの? すると、この質問にも明快な答えが返ってきたのです。
それはね、理由があるんです。あれだけの高音で演奏している中で、低い声で歌うと全然聞こえないんですよ。高くないと声が通らないから。だからヘビメタのボーカルはみんな、必然的に高い声で歌うようになったんです。
十代の頃、熱狂したヘビーメタルだが、50代半ばになってこれほど明快に理解できたのが、阿川佐和子さんの本だったということに、とても感謝したと同時に、読書ってすげぇ〜なぁ〜と思いました。(笑)
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