もしも悩みがなかったら / 水野敬也,鉄拳

 生きていくのが辛い。相談する人もいない。もう何もしたくない。僕が自殺しようと睡眠薬を口いっぱい頬張ったとき、突然姿を現した不思議な女の子「悩美」。

 その体はとても巨大。悩みが多ければ多いほど巨大になり、悩みが少なければ体は小さくなっていく。

 そして悩美からこんな提案をされる。「私があなたの悩みを減らすための、アドバイスをするというのはどうですか。私はあなたの悩みですから、あなたの悩みについては、誰よりもよく分かっています。

1.栄養のある食べ物を、良く噛んで食べる。

2.小さな場所から掃除を始める。

3.友人や専門家に相談する。

4.適度な運動をする。

5.本を読んで解決策を探す。

6.外に出て日光を浴びる。

 そんなアドバイスにより、僕はどんどん悩みを解決していき、悩みはどんどん小さくなり、やがて透明になり消えていく。

 悩美はこんなことを言っていた。「悩みがある人っていうのは、かなえたい夢を持っている人なんですよ」悩みがあるということは、苦痛をともなうことですが、そう考えれば悩みも悪くないかな。そんなことを考えさせてくれる本書でありました。

2月21冊目_2025年32冊目