インターネットで教養動画を何時間、視聴しても知識が身につかない。スマホで電子書籍を読んでも端から忘れてしまい、頭にまったく残らない。そんな経験をしたことはないだろうか。
著者は、本で得られる教養とネット・スマホの情報のあいだには隔絶たる違いがある、と語る。人間の記憶の特性上、インターネットの画面をいくら見ても教養は身につかないという。
流行のChatGPTには常識、道徳、価値観を嗅ぎ分ける力(著者いわく「校閲」)がなく、使用を誤れば社会に大混乱をもたらす、という。人工知能が危うい理由は「間違いだらけ、ウソだらけの無責任なインターネットを学習しているから。大手出版社はどこもしっかりとした校閲部を有していて、書かれた文章の国語上の誤りばかりか、事実との相違を鵜の目鷹の目で探し、一次資料に基づき確認している。
「国語力なくして国力なし」なしだという。国語力は国力になり、防衛力にもなるという。
「読解力急落」の急落はIT企業が利益を上げるため、文部科学省の官僚が忖度したのが根源にあるという。
「町の書店がなぜ大切」なのは、Amazonが市場を独占してしまうと、今は便利で価格も安く便利であるが、価格や市場のすべてをコントロールされてしまうという。
「デジタル本は記憶に残らない」というが、私はアウトプットしているのでかろうじて記憶に残っているが、アウトプットしなければそうかもしれない。
よく日本はダメだとかそんな報道がある。しかし「日本は”異常な国”でよい」という。それくらい世界から実はうらやまれる国である実感を持つべきと説いていました。
安倍首相が推し進め、緩和をし続けた「外国人技能実習制度」その延長線上にある、国家を瓦解させる「移民政策」
私はたくさん本を読んでいるので、如何に日本が恵まれた国なのか理解しているつもりではいる。「読書」と「スマホ」というそんなテーマの本ではありましたが、国策レベルでさまざまなことを考えさせてくれる本書でありました。
私の経営する建設会社では「外国人実習生」がたくさんいます、必然的に酒の席なので、その話題になるときは多い。しかし、私はその選択肢は絶対に踏み込まない。踏み込むくらいだったら、給料を上げて人を呼び込むのが、資本主義の基本だろう。そんなことを考えさせてくれる本書でありました。
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