がん闘病日記/ 森永卓郎


 ガンで死ぬということは、とても不幸というか苦しむのではないか。そんな印象がありました。幸せな死に方はピンピンコロリ(PPK)が、理想な死に方だと思っていましたが、本書を読んでガンで死ぬのも悪くないと、そんなことを考えさせてくれる内容でありました。

 自身が父の死んだ後、遺品整理や相続をするにあたり、とても苦労したエピソードを紹介しています。そのためガンを宣告されたあと、最初は抗がん剤の治療をしますが、自分の口座をまとめたり、コレクションを展示するための博物館を自分の持っている財産を整理しリスト化して、妻や子供に託しています。

 ガンになるのは嫌だけれど、死の準備が出来るという点では、ガンで死ぬのも悪くないと思える内容でありました。

 闘病の話は本書の半分くらいでしょうか。死ぬ前に世間に伝えておきたいことや、今まで書けなかったこと。著者の生い立ちから始まり、今までやってきた仕事やコレクションなど。

 本は闘病日記という題名ですが、それ以外にも知識として十分役に立つ本書でございました。

9月8冊目_2024年158冊目