クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン / 鴻上尚史


 NHK BSの人気番組『cool japan』の司会者、人気脚本・演出家の著者が、番組で世界の人々と議論した、日本を体験して感じた「クール」と「クレイジー」についてまとめられています。この手の、外からみた日本を知れるような書籍は、現在自分がおかれている当たり前が、世界では当たり前で無い、そんな境遇について、とても感謝できる様な内容です。

 「外国人の見つけた日本のクールベスト20」という章があります。

1位_洗浄機付き便座

2位_花見

3位_100円ショップ

4位_花火

5位_食品サンプル

6位_おにぎり

7位_カプセルホテル

8位_盆踊り

9位_紅葉狩り

10位_新幹線

11位_居酒屋

12位_富士登山

13位_大阪人の気質

14位_スーパー銭湯

15位_自動販売機

16位_立体駐車場

17位_ICカード乗車券

18位_ニッカポッカ

19位_神前挙式

20位_漫画喫茶

 オニギリはとてもクールだが、海苔に抵抗がある外国人が多い。コンビニのオニギリは別になっているので食べなくて済む。世界中の大都市は24時間電車が動いているのが当たり前だが、日本は終電というシステムがあるのでカプセルホテルが便利。食事をしながら、それも注文をしながらお酒を飲める居酒屋というシステムが最高。

 大阪人に「この印籠が目に入らぬか?」と印籠を見せると9割が土下座する。土下座しなかったのは多分、観光客だったという。バナナを耳に当てて「もしもし、ちょっと待ってて」と道行く人に渡すと「もしもし・・・バナナやないかい!」とノリツッコミをしてくれる。

 一番印象的だったのは、私はとってもクソタレなので「洗浄付き便座」に関する内容でございました。オシリを洗うと言う行為は、ホモが行う行為として考えられているため、一般人には受け入れられにくいのだという。しかし、日本で快適さを知ってしまうとお土産で買い求めてしまう。海外は硬水が多いのでノズルが詰まったりして、軟水の日本で使うより壊れやすいという。タンクの上で手が洗えるというシステムや、大と小の水量を変えられるのも、日本だけで、まさに「もったいない精神」の象徴だという。

 ベスト20には入っていませんが、コンビニが最高という記述が多くありました。世界中探しても、24時間大抵の物が買える様なところは無いという。いつ何時でも酒がなくなった、買いに行けるという幸せかな・・・笑 アイスコーヒーも日本発祥だという。

 前述しましたが、普段当たり前だと思っていることでも、世界の中では当たり前では無いどころか、ありえないほどとても恵まれた環境で過ごしている。本当に日本人で良かった。そんな風に思わせてくれる一冊でありました。

This is the 08th book in March and the 53th in 2024.