最近ネットの世界では「ザイム真理教」という言葉が頻繁に使われるようになったという。財務省は、宗教を通り越して、カルト教団化している。そして、その教義を守る限り、日本経済は転落を続け、国民生活は貧困化する一方になる。
本書では、なぜザイム真理教が生まれ、それがどのように国民生活を破壊するのかというメカニズムについて語られています。著者はテレビにもよく登場する人物なので、顔が浮かぶし、面白おかしく書いているのでとてもわかりやすい。
国の借金、財務省、日本銀行などの関連本はたくさん読みましたが、これが一番わかり易いし、ぜひ皆さんに読んでほしい1冊です。サブタイトルに「それは信者8000万人の巨大カルト」と書かれているように、国民の多くが信者なのです。
私はそこそこ勉強しているので信者ではありませんが、「ザイム真理教」というカルト信者のあなた。家族や友人がカルト宗教を信仰していたらどう思いますか。本書を読めば、無事、信者から抜け出すことができることでしょう。
通貨発行益について、とてもわかりやすい例えがあったのでメモしておきます。著者が博物館に行ったときに、年代別の小判を見せられた時があったという。金ピカのものもあれば、色がくすんだものがあり、説明を聞くと古い物ほど光っているという。
もともと小判は金で作られており、1両という金額に相当するだけの金属としての価値があった。しかし、溶かして違う金属を混ぜてまた小判を作る。1両の小判が2枚になれば、2両になる。2両にするコストを引いたものが利益となる。そんなことを繰り返し、小判の色はどんどんくすんで行く。この様な手法で、とても昔からお金を作り出す錬金術として使われていた。
現代は硬貨や紙幣なので、この金属を薄めて行く過程はないものの、本書には書いていませんでしたが、1万円にかかる製造コストは18円だと言われており、1枚あたり9982円利益がでる。古い紙幣を回収処分した量だけ、市場に流通させるのであれば利益も出ないが、実際は新しい紙幣を作って予算化したりすれば、莫大な利益が出る。そんなことをすればインフレになるというが、現在起きているインフレの原因ではない。
通貨発行益を加えれば現在のプライマリーバランスはとても健全で、増税する必要などなく、国債がたくさんあろうと、それを日銀の手の内に戻してしまえば、返済義務も無いに等しいので増税する必要など全く無いという。そもそも国民はなぜ、この「通貨発行益」という言葉を知らないのか。
どんな「減税推進増税反対」の政治家も閣僚も、ザイム真理教はどんな汚い手を使ってでも信者にするために布教活動を繰り返す。しかし、その布教活動に落ちなかったのが、安倍晋三だという。
「森友・加計問題」について触れていた。財務省が安倍首相を陥れるために行った、国有地の安売りだったのではないかという。そして騒ぎ立てた新聞社の本社は、みな元国有地で相場より大分安い価格で購入しており、すでにその時から「ザイム真理教」の信者になっていたので、布教活動をするには、増税に反対する安倍首相は邪魔者だったので、バッシングをくりかえす。
そんな安倍氏の葛藤を本書では「安倍晋三 回顧録」から、多く引用しています。「安倍 vs ザイム真理教」を知る上でも、ぜひチェックしてみようと思います。
14 th in January / 14 th in 2024