潜入ルポ 経験学歴不問の職場で働いてみた / 野村竜二


 このネット時代にあえてスポーツ新聞や、朝早く駅にいる手配師などの情報をもと様々な仕事に従事し、潜入体験したルポルタージュの内容です。

 ビデオボックス店員、新聞拡張員、ピンサロのボーイ、ゲイ向け男性モデル、浮気調査、ドヤ街の寿町から派遣された建設飯場、ゴミ収集作業員や分別作業員、バキュームカー作業員、手元(土木・建築作業補助)、パチスロの打ち子など。

 次から次へと体験して行くのは良いですが、大抵の仕事を1日で辞めて行くというか、逃げ出したりする、諦めっぷりも痛快です。笑 しかし、世の中には自分には関わりが無いが、無くてはならない仕事がたくさんあることも同時に思わせてくれました。

 不況でも選ばなければ仕事はある。そんな風に言う人はいるし、私も少しは思っていました。著者のスポーツ新聞や手配師から仕事をチョイスする方法に確かに問題はあるかも知れないが、厳しい現実やブラックな職場もあることに現実をみせられたような印象はもらえるだろう。

 印象的だったのは「ゲイ向け男性モデル」だろうか。インタビューから始まり、服を脱ぎ、自慰行為。「お尻の穴をカメラに見せることを意識してね」と指示され、フィニッシュ。もらった金額は8,000円。いくらなんでもこの金額は安いと思ったが、オナニーしただけで金がもらえたのでラッキーだと割り切ったという。笑

 うちの様な中小建設会社では基本的に「経験学歴不問」で雇用をしているところは多いし、実際に弊社も常に求人は受け付けています。笑 。自信を持って言えることがあります。本書で登場するどんな職場より、まともだと思う。笑

 そんなことが再確認出来ただけでも、本書を読んだ甲斐がありました。笑

04 th in December / 308 th in 2023