「夫源病」とは夫の言動によるストレスで妻の更年期障害を誘発したり悪化させたりすることを指す。正式な病名ではなく「熟年の妻が訴えるめまいなどの原因の多くが夫にある」と考えた石蔵文信医師によって命名された。
主人公は定年オヤジですが「夫源病」に悩む女性とそれを取り巻く男達の物語です。相変わらず、垣谷美雨さん、面白い物語に社会問題を絡めてくるあたりが素晴らしい。笑
定年退職した主人公。悠々自適の老後を夢見ていたが、妻は「夫源病」を患い、娘からは「アンタ」呼ばわり。気が付けば「暇と孤独」だけが友達に。そんなある日、共働きの息子夫婦から孫二人の保育園のお迎えを頼まれる。
子供の世話どころか、家事すらしたことがない主人公が、自分の古い固定概念と葛藤しながら対応していく。その自分が変化していく過程の中で、息子も「夫源病」の源になっていることに気付き、自分の改造も半ばなのに、息子の改造にチャレンジしていく。
男が社会の道筋をたてて来た世の中。
それは男に都合がいい社会。
実際は女にばかり負担を強いてきた。
「男女共同参画社会基本法」など男女格差をなくす決まりを作った所で、家事をする男が増えたり、率先してオムツを替える男が増えるわけではない。国家として上辺だけみつくろいしているだけなのではないか。「少子化」の原因を生み出しているのは国家戦略なのではないか。そんな印象すら感じる。笑
本書はどちらかといえば、女性向けなのかもしれませんが「定年したらこうしよう」そんな「妄想」を思っている男性に大変オススメ出来る1冊だと思います。
あなたは定年後何をするのですか?
奥さんは賛成しているのですか?
奥さんは一緒にやってくれるのですか?
あなたは奥さんがいなくても困りませんか?
本書でこんなやり取りがありました。
夫:「定年後はご褒美に旅行に連れていく」
妻:「あなたと2人で旅行なんて苦行でしかない」
不安に思ったあなたに「強く」この本をオススメします。笑
15th in October / 283 th in 2022