拉致と決断/蓮池薫

大学時代、帰省した地元の浜辺でデート。
「タバコの火を貸してください」
声を掛けられそのまま拉致される。
北朝鮮で過ごした24年間。

過ごした場所は招待所。
教育という名の洗脳。
監視員とのやり取り。
北朝鮮の一般市民よりは恵まれた生活。
しかしそれは、突然自由を奪われ、
もう故郷に戻れない代償なのか。
毎日のように何年も絶望する著者。

北朝鮮の人々の生活について触れています。

印象的なのはやはり食糧事情。

都会のマンションでも
部屋やトイレで豚や食用犬を飼育。
ベランダでアヒルを飼育。
それらは貴重な現金収入になるのだという。

あらゆる空き地を工作地化。
二毛作はあたり前で三毛作も。
魚やキジを捕る術や工夫。
あげればきりが無いくらい、
国民の「飢えと戦う姿」が生々しく
細かく正確な描写で描かれています。

日本に帰国する際、
一体自分はどうなるのか。
残していく子どもたちはどうなるのか。
不安から食事も喉も通らなかったという。
なぜ帰国時やせ細った不安な表情だったのか。
それが一番の原因だったと振り返る。

子供には自分たちは帰国した在日朝鮮人だと言い、
将来を心配して日本語は教えなかったと言う。
一時帰国する際には国内旅行するためと嘘をつく。

北朝鮮に戻らないと子供たちはどうなるのか。
日本に子供達が来るまで1年7ヵ月。
果たして判断が正しかったのか。
その間の悲しみや苦悩。
同じ子供を持つ親として断腸の思いが
痛いように伝わります。

本当はもっと書きたいこと。
伝えたいことがあるのだろう。
そんなことを感じられる。
まだ帰国できない拉致被害者への配慮なのか。
横田めぐみさんに関する記述は全く無い。

現在、大学で教鞭をとる著者。
中には留学生もいるという。
その中に北朝鮮からの学生が交わる日が来るのだろうか。
そんな言葉で締めています。

日本人で北朝鮮を知らない人などだれもいない。
しかし北朝鮮人を知る人などほとんどいない。

将来接することが来るのだろうか。

そんなことを考えさせられる。

そして日本に生まれてよかった。改めて思う。

大変勉強になりました。笑

だいすけ@190dai.com
新しモノ好き。ガジェット大好き。 平成元年から小さい建設会社。今は社長です。小さい会社なので、営業的なことや技術的なこと。除雪もします。ガジェット、カメラ好きが講じ、ネットやPC、Drone好き。外食する時や夜の会合なども多いので、食べ歩きやガジェット。仕事のこと。読書。そして地元のコトを中心に書いて行こうと思います。
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