デザインが日本を変える日本人の美意識を取り戻すなぜ地方の小さな自動車会社マツダは世界一になれたのか?/前田育男

 2018年に刊行された本書。過去にも数回読んでいますが、改めて読んでアウトプットしてみました。(笑)

 2009年、リーマンショック後の経営危機に陥り、フォード傘下からも独立した地方の小さな自動車メーカー・マツダ。デザイン部門のトップに、久しぶりに日本人である前田育男が就任した。

 当時、マツダのデザインは欧米人のリーダー主導で迷走しており、ブランドの独自性が失われていた。著者は「安くて高性能」だけでは新興国メーカーに勝てないと考え、「日本人の美意識への原点回帰」を掲げて大胆な改革に着手。

 全車種のデザインプロセスを根本から見直し、従来の手法を大きく変える「魂動(KODO)- Soul of Motion」という新しいデザイン哲学を打ち立てる。

 魂動とは、生き物のような生命感・動きの美しさをクルマに宿らせるというコンセプトで、自然や日本の伝統美(引き算の美学、シンプルさ、わびさびなど)を源泉に据えているのだという。

 改革は社内で激しい反発を招いたが、容赦なく推進。結果、新世代のマツダ車(特にCX-5や新型デミオ、ロードスターなど)は欧州を中心に高い評価を受け、2016年にはロードスターがワールド・カー・オブ・ザ・イヤーとデザイン部門のダブル受賞という史上初の快挙を達成した。

 「KODO」は海外でも広く認知されるブランド哲学となった。本書は、このマツダ再生の軌跡を通じ、日本メーカーがグローバルで勝ち残るには、単なる技術やコスト競争ではなく、「美しさ」や「感動」を核にした独自のブランド価値が必要であることを説いています。

 日本人が失いつつある自らの美意識(繊細さ、生命感、余白の美など)を、もう一度取り戻し、ものづくりに活かせば、世界で「一つ上」の存在になれる。

 デザインは表面的なものではなく、企業哲学そのものであり、情熱・執念・愚直さを持って貫くことで、日本全体の製造業や文化を変える力を持つはずだという。
 前田育男の自伝的体験記として、マツダの危機脱出と魂動デザイン誕生の裏側を克明に描きながら、「デザインが日本を変える」という大きなテーマを提示した一冊です。

 私のことをご存知の人は、私がマツダファンのイメージがあるだろう。仕事で乗っているのは、CX-5だし、もう1台、MAZDA6のワゴンを所有しています。そしてMAZDA6は希望ナンバーで「1-90」を付けています。

 私の身長が190cmということもありますが、著者の「イクオ」をリスペクトしたという意味があると勝手に言っています。それは、某大先輩の「1-90」とナンバーがカブってしまった、言い訳にしているというそんな一面もあるということを、理解してほしいと思います。(笑)