2003年に出版された『バカの壁』。450万部を記録し、第二次世界大戦後の日本における歴代ベストセラー5位。その著者、養老氏と竹村公太郎氏の対談本を、KindleUnlimited で見つけたので、読んでみました。
エネルギー争奪史 から始まり、温暖化に金をかけるな。少子化はバンザイで、水問題。農業、漁業、林業について。様々な分野で二人の論客が語り合っています。
話題がとても豊富だったので、農業と水関連のものについて書き留めておきたいと思います。
皆さん「バーチャルウォーター」ってご存知ですか。私は知っていました。日本では水不足とかあまり無いですよね。水資源豊富な国です。海外ではよくある話なのは聞いたことありますね。
でも、日本は食料自給率が低いです。果物や穀物、肉なども沢山輸入しています。衣料もだいぶあります。それらの食料などは、水が無いと出来ない。
日本は海外から食料を輸入することによって、その生産に必要なぶんだけの 自国の水を使わずに済んでいる。言葉を換えると、食料の輸入は、形を変えて「水」を輸入していると考えることも出来る。これが「バーチャルウォーター」です。
アメリカからも、小麦、麦、大豆、トウモロコシをたくさん輸入しています。もう1つ大きいのがお肉。スーパーでもたくさん見かけます。それらを育てる為に、使用された水も輸入している と考えて良い。
本書ではアメリカの農業で多用されている「化石地下水」について言及しています。日本では地下水といえば、地上に降った雨が地中に染み込んで地中を流れている。穴から汲んでなくなったとしても、時間が経てばまた貯まる印象です。
アメリカの農業で多く使われている「化石地下水」とは氷河期に残った氷が溶けたもので、汲んでしまうともう戻らない。石油の様なイメージです。
その地下水の水位が年に2mづつ下がっており、そしてそれは近い将来、枯渇する懸念があり、アメリカの農業は立ち行かなくなる。年々、水位も下がるので水を汲み上げるコストも増え続けているのだという。
何でも食いたいものは食えるし、本当に幸せな世の中ですが、実のところは「崖っぷちでなんとかキープ」出来ているだけで、いつ崩壊してもおかしく無いのではないか。 アメリカの農業に焦点をあてて、取り上げましたが、本の題名通り「本質を見抜く」ことについて、多方面から考えさせてくれる内容でありました。