話す力 心をつかむ44のヒント / 阿川佐和子

 著者の別著、「聞く力」の二番煎じというか、便乗で出版したという本書。実は「話す力」を読んでから「聞く力」を読んでその後に書いていますが、けっこう内容はかぶっています。

 本書でゲッターズ飯田さんから、「阿川さんは、聞く力は無くて、話す力です!」といわれたエピソードを紹介していますが、「話す力」と「聞く力」を両方読んで、ワタシも同様のことを感じさせて頂きました。(笑)

 話す能力がある人が、しゃべることを我慢することができれば、聞く力になるそんな印象でしょうか。聞く力を出したとき、阿川も読んだほうがいいと、友人から薦められたという。それくらい周りから著者はおしゃべりな人扱いされていたらしい。(笑)

 前書「聞く力」にも書かれていましたが、人に話を聞く時に、質問はたくさん用意しないで「1つの質問だけ用意すればいい」と書かれていた。

 ワタシは対談などはしたことはありませんが、著者が最初そうだったように、その様な人に話を聞く機会を提供されたら、事前準備として質問をいくつか用意することになるだろう。

 しかし「1つの質問だけ用意する」そうした方が、聞いた質問から得られた回答の中から、質問を考えるしかないため、相手の回答をしっかり聞くようになるのだという。質問をたくさん用意してあると、次はなんの質問をしようかと考えるため、自ずと相手の話を聞くことがおろそかになり、かつ話の流れが悪くなったり、関連性が低くなったりして不自然になるのだという。

 1つの質問を考え、3本の軸を考える。幼少期だったり、下積みだったり、成功した後など。1つの質問が繋がらなくなったときや、相手の回答から違う軸に動き出したら流れにのる。

 もちろん事前に情報はインプットするが、インプットし過ぎも相手の回答を自分が言ってしまう可能性もあれば、感嘆する自分を失ってしまい危険だという。

 著者はテレビでも大分みかける顔のせいもあり、さらに紹介されるエピソードは、おしゃべりを楽しく聞いているような感覚でとても頭に入ってくる感じです。「話す力」と題名は少し自己啓発系な感じはありますが、とても楽しく対人関係について学びを得れた本書でありました。
 今度あいつに会ったとき、こんな1つの質問をしようと思います。「なぜそんなに太ったのか?」それに付随する3本の軸は「営業マン時代」「婿入り後」「社長就任後」です。誰に質問するかは、想像にお任せします。(笑)

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