最後のテレビ論 / 鈴木おさむ


 放送作家、脚本家を辞めると宣言した、鈴木おさむさんによる半生を紹介しつつ、様々なテレビの裏側の話や、誕生するまでのエピソードなど、どれもこれも、自分が20代から30代に掛けて、よく見ていた番組だらけだったので、とてもおもしろく読ませて頂きました。

 「スマスマ」「めちゃイケ」「Qさま」「マネーの虎」「お願いランキング」「黄金伝説」など。そしてドラマに対して自分のスタイルが確立し、自信を持てたという「奪い合い、冬」

 私も夜中熱狂して見ていました。特に水野真紀の演技っぷりがとても印象的でありました。「不良少女とよばれて」「スチュワーデス物語」「スクールウォーズ」など。著者は昔の大映ドラマを意識して制作したのだという。

 そして奥さんとのエピソードが面白すぎです。交際0日で結婚したとか、初夜にカンジタを移されたとか、報道でも話題になった出産時に装着した「ヘルメットカメラ」など。声を出して笑えるようなエピソードだらけです。

 自己啓発的なことも書かれていました。誰もやらない事をやればいい。やれば成功しても、失敗してもその経験は「自分の付加価値」になる。挫折や最悪な災難が起きても「自分の付加価値」そう思えば怖くない。大島美幸を交際0日で妻にしたことも「自分の付加価値」の一つだという。

 先日視聴してとても感銘をした「極悪女王」ですが、著者の企画・脚本・プロデュースでNetflixにより製作されたものです。本書を読んで著者のあふれる才能をつくづくと感じられる内容でありました。

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