この部屋から東京タワーは永遠に見えない / 麻布競馬場

Twitterに投稿した小説が書籍化された本書。Twitter文学と表現している人もいました。141字ごとに区切りがあるせいなのか、不思議な、小気味良いような、独特の文章で繰り広げられる短編集です。

主な主人公は地方から東京に出てきた30前後の男女たち。

東京への憧れや、田舎への劣等感。

男と女、お金とセックス。

見栄やプライド、世間体やコンプレックス。

職場の人間関係。

充実してそうだけど、そうでもない。

幸せそうに見えるけど、そうでもない。

心がモヤモヤするというか、イラッとするというか、とりあえず元気をもらえる本ではありませんでした。笑 

SNSが日常に入り込みすぎて、無意識のうちに他人と自分を比べてしまう。自分のいないコミニティからもらう劣等感。不必要な情報に触れるせいで幸福感を奪われる。情報過多の現代は幸せなのか。

人のレビューを見ると、面白いという意見もあれば、読まなければよかったと書いている人もいた。私は、どちらも感じました。笑 

副題に「東京に来ない方が幸せだった?」とある。

少なくとも私は・・・

「東京に行かなくて幸せだった!」

そう思わせてくれる内容でありました。笑

年に1回くらい行ければいいです。

あんな都会には住みたくありません。笑