大王製紙社長の長男として、東大法学部に現役合格。
27歳で赤字子会社を立て直し、42歳で本社社長就任。
順調な経営、華麗なる交遊。
すべてを手にしていたはずの男はなぜカジノにハマり込んだのか?
関連子会社37社のうち、自分が代表を勤めていた会社から、
「事業に必要な資金だから」という理由で自分の口座に振り込みを依頼する。
その総額は「106億円」
ギャンブル狂いになる経緯と、自己分析が非常にわかりやすく記述されています。
「ギャンブル依存症関連の本」は読んだことはありませんが、それらをすべて打ち砕くようなパンチ力があると思います。笑
なにせ、106億円です。
国道106号を普段通っているものとして、とても忘れられない数字もいいですね。笑
一般人が普通にマカオに行ってカジノに行ったところで、
いくら金を持っていてもこんなにお金は使えないという。
そしてカジノの収益はどこにあるのか、そんなことまで書かれています。
一般人が行くザラ場は賭け金も少なく基本的にカジノは儲からない。
その上にあるホテルのスイートルームなど、大金持ちが集うVIPルームがある。
こうしたVIPは往復のファーストクラスの飛行機代はただで、出迎えはロールスロイス。そこは一般人と接触しないように管理された導線まであるという。
ここではひと勝負が数百万円単位であることが普通。
タネ銭20分の1ルールというものも存在し、2億預ければ、1勝負1,000万円も可能になるという。
専属の「ジャンケット」というホテルのコンシェルジュのような人がつき、飲食、女の手配、それだけならまだしも、すっからかんになったときには、金をサイン1つで借りれるのだという。
この存在が、これまで負けが膨らんだ要因という印象です。笑
そんな仕組みから、日本でカジノを始めてもこのVIPに対する処遇をうまく対応できないので、収益はあげられないだろうと説いています。笑
「ジャンケット」とのやり取りでタネ銭を工面できないときに、著者がした行動でとても印象的な出来事がありました。
アメックスのブラックカードは3000万円まで買えるのだという。
近所の時計店で300万のロレックスを10個買い、そのまま近所の質屋に行って換金したという。それで得た現金、1350万。不満だったが現金が必要だったのでそのままカジノに戻り、結果は大勝。
質屋に入れたロレックスは10個全て戻したが、ジャンケットが気に入ったものがあり「安く譲ってくれないか」そんな事を言われる。
逆転大勝出来た気分の良さから、そのロレックスをプレゼントしたという。笑
何から何まで次元がすごすぎて、笑えるレベルですが、
ギャンブルは本当に怖いもの。
そんな事を考えさせてくれる、史上最高の本かも知れませんね。笑
30th in July / 210th in 2022