そもそもLiDARってなに?
LiDARは「Light Detection And Ranging」の略。
光を使って「距離を測る」ためのセンサー。
自動運転車などに使われる技術ですが、実は古典的な技術らしく、 1971年にApollo 15で宇宙飛行士がレーザ高度計を使って月面地図を制作したらしい。
50年も前からあるんですね。
私が注目していたのは、数年前からドローンを使用した写真測量をしていますが、LiDARを積んだものあることは知っていましたが、○千万円もする代物でとても手が届くものではなく、値段がこなれて来るのを待っていたのですが・・・
2020年の3月発売されたiPadProに、ナント搭載。発売段階では、ほぼ有効的なApplyがない感じでしたがここ数ヶ月で出揃って来ました。
iPhone12Proにも搭載されるとのことだったので、これは有効的なアプリがいっぱい出てくるのだろう。使わない手は無いと・・・ここ数週間いろいろと検証しています。
3Dデータを何に使う?
3Dデータを何に使うのか。そんな質問をされる方がいます。私は建設屋ですが、ドローンで撮影した写真を解析して3D化、それから図面を起こしたりしているので、すごく興味があります。
ドローンで写真を撮って解析して図面にする。
かんたんに書いていますが、まぁまぁめんどくさいんです。それがすぐに出来るということは、画期的なのです。笑
3Dデータが有ると便利なことがたくさんあります。建設屋の概念で利点を上げて見ます。
- 写真を何枚取るより、わかることがたくさんある。
- 現地の状況を説明するのに便利。(発注者との打合せ、施主に説明、作業者に説明)
- 測量の替わりになる。する。(笑)
アプリはどんな感じ??
pronoPointsScan
Polycam
3d Scannar APP
このアプリが一番レビュー記事も多く、まぁまぁ優れているので今の所、一番メジャーな気がします。いろんな設定もありますが、かんたんモード的なやつだとなんの苦もなく、3Dデータが出来ます。このアプリが凄いのは下の動画の様にARで撮った3Dを空間に移し出すことが可能です。
そして、ナニより無料です。笑
この、アプリが無料であり続けるうちは、課金の高いアプリはきっと売れないでしょう。笑
下の動画の様に、scanした箇所がどんどん紫になっていくのは圧巻です。
ファイルの書き出しはメッシュデータで書き出されます。
私は今の所、GLBファイルをEvernoteかOneDriveに書き出せば、Windowsの3D Viewerで共有出来るのですが、iPadで見れる方法(共有)がいまいち解読出来ません。OBJで出せば形は見えるのですが、色を出す技、アプリが解読出来ません。笑
もう少しな点は・・・?
細いものはデータになりにくいです。これは写真測量のSFMでも似たような減少があるのですが、対象物の後ろにデータが沢山あるとそちらの方を優先化する傾向が有って、データになりにくいようです。
地面の広い範囲は結構上手くくっつきますが、オブジェクト的な例えば石像や人など、360度ぐるっと回って立体にしたい様な感じのものは、余りくっつかないようです。
Sakura3D SCAN
これは日本のもので、点群とメッシュデータどちらも取得出来るアプリです。メッシュデータは色がつかないので、どちらかというと点群取得に寄ったアプリの様な気がします。
最初の頃は、データ取得しながら自分が動くとデータが上手く行かない印象が有ったのですが、下動画の様に車をぐるっと回って取ったら上手くくっつきました。
出力されるファイルは ASCファイル。これ1択です。
アプリのカギみたいなファイルなのですが、私の解釈では・・・それ用のアプリであれば、何でも開くようになってる。そんな解釈で良いと思います。
出力されるファイルは基本的にテキストファイルです。
X,Y,Z,赤,緑,青
これが取得した点の数だけ書かれていると思ってください。
cloudcompere というフリーソフトで開けば、違う形式で出力出来ます。私はLAS形式のファイルで書き出し、点群処理アプリのsitescope(建設システム)で線形データを抽出して、SIMデータにすれば利用出来るのでないかと考えています。
文章で説明するのがめんどくさいので動画にしてみました。↓
最後の画面で左側に車2台の線形データ(天井が抜けてますが)が確認出来ると思います。
GOOD
スキャン距離範囲を設定出来ますが、0m~10mと0側が設定出来るのが嬉しいですね。あまり手元をデータにしたくない時便利です。遠くの距離の設定、私は5mで止めるようにしています。Appleが公式で言っているように、5mくらいしかLidarが飛んでいる印象しか無いし、無理やり取るとノイズになる印象しかありません。
お値段・・・
課金の設定が素晴らしいと思いました。お金が掛かるのは1日2回目の出力をしたいときです。24時間に1回は無料で出力出来ます。課金方式はサブスクなのですが、年間、月間、週間で設定できその間は出力し放題です。私は1週間200円を買って2週目です。使いたいときだけ課金出来るシステムは非常に良いですね。
もう少しな点は?
データを前提にするのであれば点群ですが、見た目はメッシュの方が良いと思います。点群を扱わない人には、ありがたさがわかりにくいかもしれませんね。
前に取ったデータをローカルに置いておけません。それは課金方式から考えれば当たり前ですが、重いデータになるとアプリ自体が落ちる時があります。再び開いたときに、取ったデータがもう見えず、がっかり。ということがありました。
pronoPointsScan
Sakura3D同様、これも日本のアプリです。使用している感じは日本語が全く出て来ないので、日本製を感じません。点群を扱うアプリで、メッシュデータは作れません。そして課金しないとほぼ使い物になりません。私の記憶では、無償では5ショットくらいの点群しか取れなかった様な気がします。しかし860円と格安です。アプリに課金するのは抵抗がある人がいるかも知れませんが、写真を取ってSFM(写真解析して3D作成)していた人間にとっては、ありえないくらい格安です。笑
出てくるファイルは TXT 1択です。
X,Y,Z,赤,緑,青
これが取得した点の数だけ書かれていると思ってください。
メッシュデータは出せないようです。iPadのアプリのフォルダに入りますが、案外見つけやすいところにあります。
もう少しな点は?scanボタンを押さないとデータを取得しないので、何回も押す必要があります。 ※ビデオのボタンで続けて取ることが出来ました。
データ取得箇所の点群はグレーのマーキングで見づらいので、ちゃんと取れているのかなと、不安になってきます。もう少し目立つ赤とか、黄色とかでマーキンしていけば良いのに。そんな印象です。
ファイルの書き出し「共有」という概念がありません。ファイルのアプリを使用してiPadの中身にあるファイルを外付けメモリやOneDriveなどを利用して吐き出す必要があります。
MaxDistance 10mと、 10mまで設定可能ですが、Appleが公式で言っているように、5mくらいしかLidarが飛んでいる印象しか無いし、無理やり取るとノイズになるようです。
Polycam
きれいな3Dデータが取れるのは、私が試した中では今の所これが一番です。
テクスチャーの再現力が凄いと思います。数年前から写真撮影からSFMをしている私が経験したことの無いレベルです。笑
繋がりもすごくなめらかで見事に繋ぎます。ファイルの書き出しはメッシュデータの数種類を網羅していますが、出力する気にはなれません。笑
それは、
下の動画は近所の酒屋さんを、データ取得~3Dまで動画にしてみました。看板の質感が凄く出ています。更にガラスに写った私までちゃんとデータになってます。この再現力は本当に凄いと思います。 もう少しな点は?? で ↓
もう少しな点は??
出てくる3Dの綺麗さは抜群ですが、ファイルの書き出しに1モデル¥1480円かかります。1モデルです。払いっきりでも、サブスクでもなく、1モデル書き出すたびに¥1480円が飛んでいきます。笑 ※値段設定が変更になったようです。
このアプリで3Dを取って、このアプリで見る。このiPadを使って説明や打合せ。それだけならこのアプリは抜群ですが、iPadの外に出して利用する場合は1モデル¥1480が必要です。 ※値段設定が変更になったようです。
まとめ
- おすすめ。無料。メッシュデータ。WINDOWSに簡単出力。ARも出来るので、LiDARすげーってどやれるのがこれ。
- 点群取得 こんなに簡単に点群が取れるんだって感激できる人向け サブスク¥200/週~
- 点群取得 こんなに簡単に点群が取れるんだって感激できる人向け ¥860
- iPadだけで完結するならおすすめ。
1モデル¥1480で書き出し。高い※値段設定が変更になったようです。
点群取得に関しては、扱ったことのある人しかイマイチ有難みが感じれないかもしれませんね。とりあえず見ておおーーっと思うのはメッシュデータです。3dScannerAPPで、Lidar の凄さを体験し、Windowsで共有。ARでドヤる。iPadだけで完結するならPolycamで試して見たらいかがでしょうか。
いずれにせよ、ここ数ヶ月で急激にアプリが充実してきました。iPhone12Proに搭載された事により、アプリも充実してくると思うのでそれに期待しましょう。
次は、個別のアプリについて書いて見ようと思います。
とった3Dデータをパソコンで見たい人は ↓ 参照してください。
GooglePloy という3Dデータを共有出来るサイトもあります。