先日、柚月裕子さんのエッセー集「ふたつの時間、ふたりの自分」を読んだ。著者初めての体験はエッセーから始めさせて頂きました。本来は小説家なのだから、小説から入るのが当たり前かもしれないが、様々な小説家のエッセーを読むと、色々な小説が生まれた経緯や背景、取材の様子などが、様々と語られているので、小説を読むうえでとても楽しめるアイテムなのを自分の成功体験?としてあるので、あえてエッセーから初めてみました。(笑)
最初に何をチョイスしようかと調べ、やはり直木賞の候補作になった「孤狼の血」から読み始めました。エッセーで「ヤクザ小説」を書きたいという著者の願望も綴られていたので興味もありました。が、しかしです。(笑)
Audibleで聞いたのですが、音量というか、ヤクザが罵声を浴びせるときに声が大きくなるのですが、その分普通の文章が小さいというか・・・快適な音量で聞いていると、ヤクザが怒鳴るときに耳に結構衝撃がある時が多かったので、3分の1くらい聞いてやめました。そして次に手に取ったが本書です。(笑)
連作短編形式の痛快ミステリー小説といった感じでしょうか。ドラマ向きな感じだと思って読んでいたら、やはり映像化になっているようです。
20023年4月17日から6月26日まで、フジテレビ系列の月曜夜10時枠で連続ドラマ化され、タイトルは『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』で全11話。主演:天海祐希(上水流涼子役)相棒・貴山伸彦役:松下洸平とのこと。天海祐希さん、とてもお似合いの印象です。
主人公は、元敏腕弁護士の上水流涼子で、6年前の傷害事件により弁護士資格を剥奪された後、IQ140の天才助手・貴山伸彦とともに「上水流エージェンシー」という探偵事務所を運営。
この事務所は、殺人と傷害以外のどんな厄介な依頼でも、高額報酬で引き受ける何でも屋のような存在で、公にはできない揉め事を論理と大胆な手段で解決していく。
涼子は才色兼備で頭脳明晰、変装の達人であり、空手黒帯も持つ行動派。過去の事件の記憶が曖昧でフラッシュバックに悩まされる一方、手段を選ばず悪を叩きのめす爽快な性格が魅力です。
一方、貴山はクールで論理的・戦略的なサポート役を担い、将棋の知識やITスキルなどを活かして涼子の暴走を補う。
二人のコンビネーションが抜群で、毎回「確率的にあり得ない」「合理的にあり得ない」といった不条理な状況を、知略とトリックで解明・成敗する姿が描かれています。
テーマは法の抜け穴や理不尽な権力に対して「節義」で対抗する痛快さ。詐欺師やヤクザ、巨大企業などの悪をバッタバッタと倒していく爽快感が満載です。
物語は複数の短編で構成され、各話が独立しつつ、涼子の過去事件や巨大企業・諫間グループとの因縁が徐々に絡んでいきます。
建設会社社長が「未来が見える」という経営コンサルタントに多額の報酬を支払おうとするのを、秘書が詐欺を疑って依頼。実際にボートレースで六連続的中させる「奇跡」が起きるのですが、涼子と貴山が事前の情報操作やレースの仕組みを悪用したイカサマのからくりを論理的に暴き、社長を救い出す。
バブルで成功した資産家の妻が突然金遣いを荒くし、霊能力者から石や壺などを買っているという疑惑を、涼子が変装して霊能力者役を演じながら逆手に取り、詐欺の真相を解明して夫婦の信頼を回復させる。
また、暴力団の会長から「賭け将棋で絶対に勝たせろ」という依頼を受け、貴山の将棋知識が活きて相手の不正を見破る緊張感のあるエピソードなど。
さらに、涼子が資格を失う原因となった諫間グループの社長から、行方不明の孫娘の捜索を依頼される話では、因縁の相手ながら高額報酬と遺恨を晴らすチャンスに乗り気になり、不良グループに絡まれた孫娘をギャンブル体質などを利用した「あり得ない手段」で救出。
これらの短編を通じて、土地を騙し取られた被害者の復讐や野球賭博関連のトラブルなど、さまざまな「あり得ない」依頼が登場し、涼子たちの大胆な活躍が繰り広げられます。
全体の軸となるのは、涼子の資格剥奪事件の真相。事件の黒幕が諫間慶介であることが徐々に明らかになり、彼は涼子に催眠術をかけて暴行を起こさせ、資格を剥奪。
理由は、涼子が諫間が進めようとした危うい事業で反対・邪魔だったため。クライマックスでは、涼子と貴山が諫間の陰謀を暴き、娘の久実を巻き込んだ大規模な逆転劇を展開。
CG映像などのトリックを使い、諫間を心理的に追い詰めて計画を頓挫させ、悪を成敗した爽快な締めくる。
涼子は探偵業の刺激を選び、弁護士復帰は拒否。小説はとてもテンポが良く、各話にどんでん返しあり。論理的な解明などとても過程も含めて楽しめる作品でございました。
続編もあるようなので、勿論それも手にとってみようと思います。