ヤクザと原発_福島第一潜入記/鈴木智彦

 この SNS全盛の時代 においても、福島第一原発で稼いている人の最前線の情報 は、全く見かけません。誓約書でも書かされ、情報漏えいされないように管理されているのだろう。その様に漠然と思っていた。

 そんな 原発内部で起きている詳細 が、本書でよく知ることが出来ました。著者はもともと暴力団関係のライターで、原発とヤクザの関係 を確かめるべき、2011年の7月から2ヶ月間、関連会社に就職し、実際に福島第一原発で作業した経験 が書かれています。

 入職するまでの経緯。そして詳細。#原子力村と言われる秘密社会 の人間関係。そして真夏の壮絶な作業環境。

 私も建設業に従事しているので、真夏の外仕事。そして防護服。どんなに辛いかある程度は想像できます。

 深い関わりがある、建設業の鎧をつけた暴力団 と原発。その関係は、これからも続く。問題のような気がしますが、それ以上に問題なのは、人間の手に追えないどころか、はっきりとした現在の状態がわからない。

 そして、明確なゴールすら定まらない、原子力発電所。知れば知るほど、不安な将来です。

4月10冊目_2025年81冊目