トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。性別を変えるには何をしなければならないのか。トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。そして、この社会には何が求められているのか。
これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる内容となっています。
私がトランスジェンダーについて知っていることは氷山の一角であり、知らないことのほうが多くてとても衝撃的な内容でありました。
トランスジェンダーは身近にいない、もしくは私が気がついていないだけで、本当は近くに存在しているのかもしれない。それはカムアウトされていないだけで、もしカムアウトされたらどう感じ、その先どう接するようになるのか。
正しい知識を身に付けていないことは、そのまま偏見となり差別に加担してしまい、結果本人を苦しめさせてしまうことも、学ぶことができた。
本書で印象的だったのは、自殺率の高さ、就職時の難しさ、故に陥る貧困。すべてのことが男女に分けられていることにより、社会で生活して行く苦しさ。学校、トイレ、更衣室、公衆浴場、病院など。
病気ではないのに、病気扱いされ生きて行かなければならない。昔にくらべれば、テレビなどにも、LGBTの人たちが出ているので少しは改善しているのかと思いましたが、とても社会に根付いた根本的なものであることを本書を読んで知ることができました。
せっかくなので、違うLGBT関連の本を読んでみようと思います。
3月15冊目_2025年63冊目