喜多川泰さん、多分19冊目。結構読んでいます。本書は 「Audible版 – オリジナルレコーディング」と書いてあり、書籍は存在しないようです。
高校を卒業後、楽に稼ぎ、好きなことをして遊んでいたいとバイトを転々とする日々を送っていた19歳の翔馬。楽に稼げると聞いて飛び込んだ警備員バイトの仕事先は、まさかの大学の守衛室。
自分と年齢の変わらない学生たちに見られながら、老人と一緒に働くなんて。「遊ぶ金がたまったらとっとと辞めてやる」と後悔し始める翔馬。
しかし、一緒に働く松原、薮島、天野の過去を知り、翔馬の世界の見方は変わっていく。
仕事とは何か、人生とはなにか、生命のつながり。3人が自分の生きざまを通して教えてくれたのは、「未来の誰かの笑顔のために行動する」ということだった。
なぜなら、自分たちは皆、誰かの何かを「いただいて」生きているのだから。守衛室で出会った人生の大先輩たちが押してくれた背中。未来に向けて翔馬が決意したこととは?
「いただく」ということについて、とても考えさせられた内容です。すぐ思いうかぶ「いただきます」は食べる前だろうか。
例えば鮭弁当を例にとってみれば、鮭は誰が、獲って、捌いて、料理して、弁当に詰めたのか。そもそも鮭をとりに行く船は誰が作って、誰が操縦して、行ったのか。
操縦していた人は、誰のお陰で漁に出ることが出来たのか。「鮭」という単品を考えただけでも、知らない人が無限に関与している。
普段は「いただきます」という言葉は、おもに料理を作ってくれた人にいうけれど、もっと無限の人たちに感謝しなければならない。そんなことを考えさせてくれました。
本書には東日本大震災が出てきます。それにスマトラの地震で起きた津波もからんできます。ネタバレになるので、詳細は書きませんが、今日は3月11日ということで、いつまでも震災を忘れないようにしたいと思います。
3月8冊目_2025年56冊目