野党はたくさんありますが、ここ10年はほぼ一党独裁といっていい、そんな自民党とメディアの関係性について、様々な事例を紹介しながら丁寧に説明されています。
自民党は安倍政権において素早く広報も内製化しようと、奮闘しているエピソードが紹介されています。選挙で昔はネットを利用するのはダブーとされている時代があった。しかし、今はSNSを代表とする様なソーシャルなメディアを利用しないと選挙で勝てない。そんな時代になってしまった。
東京都知事の石丸、兵庫県知事の斎藤。メディアでは「SNSの力に負けた!」そんな報道がされた。
逆のいい方をすれば、テレビや新聞などオールドメディアは、世論をコントロールできていたという、そんな自負があったのではないか。
そんなことをとても印象付けさせてくれました。では逆に、今までは自分たちがこうやろうとすれば、出来たが今はできなくなった。民意はコントロールできなくなったことを「SNSに負けたという敗北宣言」を発表する形になってしまった。
世界の中でみれば日本の選挙制度は、国民の民意を引き出す仕組みとして十分に機能していると思う。しかし「SNSに負けた!」そんな言葉を報道で聞くたびに、自分たちは大手報道にコントロールされていたのではないか。そんなことを考えさせてくれる本書でありました。
12月4冊目_2024年219冊目