秘密結社LadyBirdと僕の6日間 / 喜多川泰


 高校3年生の主人公。中学時代は誰もが羨む水泳のセンスを持っていた。ライバルに本気で挑んで負けるのが怖く、高校では水泳を辞めて「書道部」に入るが、ダラダラした生活を送る。

 ある日、主人公は熱中症になって道端で倒れてしまう。目を覚ますと、そこは父親がお気に入りで何十回と観ている映画「Ladybird」に出てくるバーだった。

  しかも目に映った人物は映画の中でいつも観ているその人たち本人。キラキラと輝くように生きている大人たちとの出会いが、主人公を変えていく。

 秘密結社「Ladybard」のメンバーは、 女優、バーテンダー、銀行支店長、ブランドオーナー、小説家、建築デザイン事務所社長。 そして七人目が亡くなっているという、いつも思いますがこんな設定を考えつく小説家ってほんとすげぇ〜なぁ~と、思わせてくれました。

 メンバーが教えてくれたことは、今日1日だけは誇れる自分で過ごすこと。そのくり返しが、人間を成長させていく。1日の繰り返しが1週間であり、その繰り返しが1年になる。

 人は、辛いことや苦しいことがあると、それが原因でダメになる人もいれば、それが原因で逆に成長する人もいる。ダメになる人は、誰かのせいや、自分のおかれた環境など、自分以外のせいにする。

 成長出来る人は、自分の何が悪かったのか。どうしてそうなったのか。想像する先の成長した自分から、今の自分を感じることで、必要な試練だと思えるようになるという。

 こんなセリフがありました。誰かが作った道を歩くなら競争しなければならないけど、自分が作る道なら競争しなくていい。

 自分の道は自分で作り、未来の自分と約束してそれを実現する。そんなおじさんでありたいものですね。だって、建設屋だもの。笑

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