暗殺 / 柴田哲孝


 赤報隊事件をみなさんは覚えているだろうか。1987年(昭和62年)から1990年(平成2年)にかけて「赤報隊」を名乗る犯人が起こしたテロ事件で「朝日新聞阪神支局襲撃事件」とも呼ばれているやつです。本書はその赤報隊事件から始まります。

 本書はフィクションですが、Amazonの本の解説は以下のとおりです。

 奈良県で日本の元内閣総理大臣が撃たれ、死亡した。その場で取り押さえられたのは41歳男性の容疑者。男は手製の銃で背後から被害者を強襲。犯行の動機として、元総理とある宗教団体とのつながりを主張した。

 日本史上最長政権を築いた元総理が殺された、前代未聞の凶行。しかし、この事件では多くの疑問点が見逃されていた。致命傷となった銃弾が、現場から見つかっていない。被害者の体からは、容疑者が放ったのとは逆方向から撃たれた銃創が見つかった。そして、警察の現場検証は事件発生から5日後まで行われなかった。警察は何を隠しているのか? 真犯人は誰だ?

 そういうことで、安倍元首相が撃たれた事件を元にしたフィクションですが、私もさまざまな本を読みましたが、安倍元首相が死んだ原因は、山上哲也の銃が直接の原因ではないと思っています。

 本書は現場も良く取材されているのか、描写もお見事でとてもスラスラ頭に入ってきて、私の想像をとてもかきたててくれました。

 本書を読んだきっかけは、YouTubeの動画で『【安倍晋三】銃撃事件から2年…生前の知られざる素顔 #見城徹 #佐藤尊徳 #井川意高 #深田萌絵 #政経電論』でこの本を紹介しているのを見たことから始まります。

 見城徹さんは幻冬舎の社長で、この原稿を1年半前に持ち込まれたが、その後いろいろと手を加え仕上がったと言っていました。

 深田萌絵さんは、殺害現場となった駅を幼少の頃は頻繁に利用していたらしく、近鉄大和西大寺駅北口でなく、なぜ南口で行わなかったのか、とても力説していました。Google Mapsで確認しましたが、誰がどう見ても選挙演説をするには南口の方が適しています。

 本作品はフィクションですが、私の受けた感じでは、これが真実なのではないかと思わせてくれる内容です。フィクションの皮を被った暴露本と言ってもいいレベルなのではないでしょうか。是非、みなさんに動画もセットで一読して欲しい一冊です。

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