食にまつわる55の不都合な真実 / 金丸弘美


日本中探しても、自分の口にするものが、どこでだれが作ったものが、すべて把握している人など、仙人の様な生活をしている10人くらいしか、日本にはいないだろう。笑 更に日本では、ほとんどの食料を輸入に頼っている。そんな先進国は日本だけだという。

本書では、食と健康12の事実、日本人の食生活10の事実、食の安全6つの事実、食料自給率19の事実、日本の農業8の事実の、合計55の「クライシスな事実」について書かれています。

印象的だったのは「食料自給率」についての記述だろうか。

日本の農産物の純輸入額は669億ドルで世界1位
食料輸入が止まったら、卵は15日に1個、肉は10日に1食
1300万人を超える人が生活する東京都の食料自給率は1%
納豆、しょうゆ、豆腐、みその原料、大豆の自給率は7%
日本で食べられている野菜の5分の1は海外からの輸入
「日本の文化」、そばの自給率は24%
パンやうどんの原料、小麦の自給率は12%
よく使われる塩は自給率12%ほとんどが輸入
食パン、オムレツ、サラダ、紅茶…。洋食の朝ご飯の自給率は13%
日本の農地では、必要なカロリーの38%しか生産できない
日本人1人1年間6kg以上食べる牛肉の自給率は38%
輸入の牛乳の価格が安く、酪農が成立しなくなっている
豚・牛・鶏の餌は自給率27%でほとんどを国外に頼っている
日本の魚介類の自給率は56%
日本人がよく食べるエビは86%が輸入品
海に流れ込むプラスチックは年間800万トン
海の生き物が生息する藻場の環境が瀬戸内海は7割も激減
日本の漁獲量はピーク時の3分の1以下に激減
身近な食用油は自給率12%、カロリー計算をすると自給率は3%

目次からの抜粋ですが、これを読むだけでも今のおかれている日本が、既に危機的状況であることが理解できる内容です。エビに関しては世界の消費量の3分の1を日本で消費しているという。

自分の口にするものを、気をつけようとどんなに思っても、現実は現在の日本では選択肢がなくなっているという、そんな実感できる本書だと思います。笑

本書では触れていませんでしたが、種子の自給率は10%と言われているし、卵を生む鶏のひなの自給率に至っては、4%といわれています。岩手県はブロイラー王国だと思っている人は多いかもしれませんが、ヒナはほとんど輸入しているという事実をたくさんの人に知って欲しいと思います。

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