本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 / 出口治明


 本は読まなければならないものでは無く「本は楽しむもの」。私もたくさん読んでいますが、「楽しい」という感覚は、とても共感します。知識を得るためとか、自分を向上させるためとか、そんな目的だけでは読書を習慣にすることは出来ないと思う。

 楽しいからこそ、次から次へと、いろいろなものを読みたくなる。他人から薦められた本でも、著者は最初の5ページを読んで楽しくなければ読まない。それでいいという。笑

 著者は読書のススメをしています。私も人には勧めますが強要はしない。しかし、いつも思うことは、何十年も前からこれくらい読書できていたら、現在の自分はどんな所にたどり着いていたのか。

 今のあなたが一番若い。著者はこんなことを言っていた。今からでも遅過ぎることは無い。これから始めればいいし、ここ3年で1000冊以上読んでいる実績を大事にしよう。そんなことを思う。笑

 著者の読書に対する姿勢は、速読多読がもてはやされている今において、本の帯にもあるように「1行たりとも読み飛ばさない」ことが信念だという。耳読書の私はそうは行きませんが、心構えは大いに見習いたいと思います。

 著者の読書に関するエピソードがたくさん紹介されていますが、相当な読書家でたぶん普通の人よりもかなり速く本を読めるのだろう。ゆっくり食べるように読むという表現を使っていますが、200ページの本を2~3時間で読むという。速読ではありませんが、私の耳読書並みです。笑

 古典を読むことを勧めておりました。年月を経ても読み続けられているものは、ハズレが少ないという。せっかくなのでなにか読んでみようと思います。

 本がもつ魅力やもらえる力、なにより著者の「本への愛」がとても伝わってくる内容です。私も読書が好きですが、著者は格がぜんぜん上を行っている印象です。読書量も半端ないし、一冊一冊を「血肉」にでもしているかのような、執念めいた思想には尊敬しかありません。

 今の自分が一番若い。まだ遅くないし、これから始めても遅くない。教養、人生観、創造性、対人関係、ビジネススキル、投資、金融、世界情勢、歴史など、学べることはたくさんある。残された人生、これからも本をたくさん読んで学ぼうと思わせてくれる本書でありました。

5月6冊目_2024年96冊目