星の子/今村夏子


 最近「母性/湊かなえ」を読んだ。その中で主人公が、慕う友人の姉から占いをされたあと、様々な助言をされ、のめり込んで行く様子が描かれていた。そんな様子を想像し、本書を読み返したくなったので久しぶりに読んだ。たぶん5回目くらいだと思う。

 今村夏子さんは何冊も読んでいますが、本書が唯一の長編(たぶん)です。そして他のストーリーは必ずクスッとしてしまう、そんなクダリが必ずありますが、本書は一切ありません。

 湊かなえさんの母性で味わった、胸が苦しくなって来る印象が重なるというか、親として、自分は子供に対してエゴを押し付け苦痛を与えているのではないか。子供は自分のことを、どんな対象に感じてどう思っているのだろうか。

 ストーリーは全然違う二冊ですが、「親と子」の関係性について、久しぶりに読みましたが、とても考えさせてくれました。

 過去に何回か読んでいるのにかかわらず、今回、印象に残ったのは巻末インタビューです。インタビュアーである小川洋子さん。私は作品を読んだことはありませんが、WIKIによれば、日本の現役女性作家で、作品が世界で最も多く翻訳されている作家であるという。

 そんな小説家が今村夏子にインタビュー。面白くないわけがない。笑 私もこんな「語彙力」が欲しい。そんなことを再確認させてくれた再読書でありました。

 話はそれましたが、私は今村夏子作品が大好きです。過去に読み込んだ著者には、喜多川泰、森沢明夫、垣谷美雨など何人かいる。その中でも、文学としてというか、映像化に適さないというか、文字だけで様々なことを考えさせてくれる。

 そんなことを、50を過ぎた私に、新しい発見を与えてくれた。それくらい感謝の念でいっぱいです。笑 「むらさきのスカートの女」は絶対映像化に、ならないと思う。

 とりあえず、彼女のこれからの新作は欠かさないで読むことであろう。村上春樹は全く受け付けないけれど、今村夏子の新作はとても期待し読みたいと思う。

 村上春樹のファンは「ハルキスト」というけれど、私は今村夏子が大好きなので・・・「今ラー」もしくは「夏ラー」。「今オタ」もしくは「夏オタ」。笑

 別に呼び名は何でもイイけれど、今村夏子をみんなに読んで欲しい。太宰治や三島由紀夫、夏目漱石が後世に受け継がれているように、50年先に今村夏子の功績は受け継がれているはず。そうであってほしい。

 とても大好きですが、酒を飲みながらこれを書いているので、今日はこれくらいでやめておこうと思います。笑

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