共感資本社会を生きる 共感が「お金」になる時代の新しい生き方 / 新井和宏,高橋博之


 「お金」と「食」、「金融」と「一次産業」、異質なふたりの語りから見えてくる。これからの社会のかたちと、新しい生き方。「豊か」と「幸せ」はイコールなのか。そんなことをとても考えさせてくれる本書でありました。

 印象的なワードがあった。「お金の切れ目が縁の始まり」金銭でつながっている人間関係は確かに、社会に多く存在する。しかし、はたしてそれは正しいのか。人間本来の関係性として、金銭がベースになっているのはどうなのか。

 食がなければ生命を維持していくことは出来ない。その食は自然と繋がっていて、自分の身体は自然の環境とも密接に関係している。本来、人間関係がベースにあれば食は成り立つものであり、お金はその手段を簡略化した道具に過ぎないのでは無いか。

 お金を稼ぐこと、お金を使うこと。なにが目的なのか。お金を利用して、ナニをするのか。その行為で、感謝できるのか。そして共感できるのか。

 自分の稼いだお金。高級時計を買うのもそれは価値観だろう。しかし、その何分か一の金額でも、自分の納得できる人に、納得した形で、対価として差し上げる。当たり前のことなのに、そんな当たり前のことが、出来ていない社会が現実にある。

 それらを具現化したのが、高橋氏の始めた「食べる通信」であり、新井氏の始めた「鎌倉投信」です。新井氏の「持続可能な資本主義」を読みましたが、金融工学という冷たすぎる学問の中に、人間味を融合させるという、そんな思想にとても感銘させていただきました。

 自分は経営者なのでもちろん、たくさん稼ぎたいし、儲けたい。ではその利益をどうすれば、社会に、そして地域に、活かせるのか。少なくとも、周りから後ろ指を刺されるような使い方は絶対しない。そんな、決心をさせてくれるには、十分な内容でありました。笑

 本日、帰宅途中、マルイチで酒を買いました。今日の合計は711円でした。在庫があると飲みすぎるので今日の飲む分しか買いません。これくらいの無駄遣いはお許しください。笑

2月16冊目/2024年61冊目