フィリピンパブ嬢の社会学 / 中島弘象


大学院で在留フィリピン人を調査している内、

フィリピンパブ嬢と出会い、最終的には結婚までしてしまうという。

最近映画化された原作というか、体験談のルポルタージュ。

それらが、まとめられた本書です。

恋した女はヤクザの手配で偽装結婚をして日本に来ており、

パブで働き月給6万円で休みは2日。

毎年1万円給料は増えるが、自由はない。

そんな3年間の契約とは言えないような口約束で働く中、

著者との愛が深まって行く。

その一方、家族の反対など障害もどんどんエスカレートする。

しかし逃げる姿勢では無く、積極的に彼女を家族、友人、恩師たちに紹介していく。そんな姿勢に頭が下がります。

自分が好きな女が出来て、周りを説得するためにこれほど前向きな行動は出来ないだろう。そんなことを思う。

私が若い頃「じゃぱゆきさん」と言う言葉があった。

1983年頃に流行語となった、アジア各国から日本に働きにやってくる女性たちを指す造語で、彼女たちの多くは、劣悪な環境での労働を強いられたという。

自分もそんな酒場に行った経験はあるが「異国の異性」という、それだけの印象でしかなかった女性たちに、本書ほどでは無いかも知れないが、様々な事情があるのでは無いかと、とても考えさせてくれる内容でありました。

本文で紹介されているように、フィリピンホステスとの交際は、少なからず危険があるようです。笑 

そして、その交際を応援してくれる人は少ない。笑

そんな孤独を、家族に、友人に、

どう接して説明しているのか。

切実に語られています。

私は旧川井村から嫁をもらって、

やっと33年になります。笑

新しい嫁をフィリピンから貰いたい、

そんな衝動にかられたら、

本書を読み返したいと思います。笑

04 th in November / 290 th in 2023