我が国の覚醒剤史には、「第一次覚醒剤禍」「第二次覚醒剤禍」「第三次覚醒剤禍」の三つに大別されるという。
「第一次覚醒剤禍」は、第二次世界大戦中に日本軍で眠気をとり集中力を高めるという理由で重宝され、ヒロポン中毒になった者たちから波状し、混乱した社会情勢のなか多く乱用された。
「第二次覚醒剤禍」は、裏ではヤクザや韓国と日本の、時の両政府が中心に?
「第三次覚醒剤禍」の裏では、ヤクザや警察のほか、米軍が思うままにのさばっている。
ヤクザが絡んでいることは、もちろん想像はしていましたが、これほど政府や警察、米軍までも絡んでいるものなのか。にわかに信じがたい内容ばかりです。
本書は、蔓延し続ける覚醒剤は、いったいどこから来て、どのように流通しているのか。日本のシャブ流通の闇に切り込んでいます。
日本の覚醒剤の値段は安定しているという。
押収量が増える=流通量が減る=値段が高くなる
そんな図式にはならない。
それだけ世界中から覚せい剤が日本に流れ込んでいる。
著者の見立てでは、ヤクザ絡みルートが「7」で米軍ルートが「3」だという。
横田基地と北朝鮮に定期便があることを、私もなにかの本で読んだことがある。多くの覚醒剤が北朝鮮から米軍機で入って来ているのだという。
そして北朝鮮産の物は品質が飛び抜けて良いのだという。
米軍機で入って来るので、水際対策も出来ない。
米軍ばかりでなく、自衛隊の関与も紹介されていました。
覚醒剤を作るとき、すごい異臭が出るらしい。
オウム真理教が密造していた時が、あったという。
警察が拳銃を押収したかったら、覚醒剤を見逃してやったとか、
悪人だけが仕切っている世界ではないので、
この世から覚醒剤は無くならないのではないか。
そんなことを思う。
日本は覚醒剤の末端価格が世界最高のうえ、
常用者以外に最近では住宅街の主婦や公務員の
逮捕者が多く出ているように新たな需要も、
どんどん開拓されている。
日本では暴力団が需要と供給を管理し、
出回る量をコントロールしているので、
値崩れせず、高値を維持しているという。
押収した覚醒剤は焼却処分されるというが、
それも誰かがくすねて、金に変えている奴らが
いるのではないか。
そんなことすら、疑いたくなる本書でありました。
03 th in November / 289 th in 2023