あまり認識されていない、
韓国軍のベトナム戦争での虐殺。
ベトコン側と思われる村を焼き払い、村人を虐殺した事実があった。
被害者たちは筆者の取材には応じるが、少し諦めと、封印しなければならない。そんな気持ちを感じる事が出来ることが、逆に虐殺の悲惨さが余計に伝わって来ます。
前に読んだ本を思い出した。
「韓国人に不都合な半島の歴史/拳骨拓史」
十年ほど前、私は外国人留学生数人と歴史問題について議論をしたことがある。その際、韓国人留学生の一人が、従軍慰安婦問題などについて「日本の誠意がない」と、まくし立てる一幕があった。
するとそれを聞いていたベトナム人留学生が笑い出し、次のように話しはじめた。
「君たちは日本に対して謝罪が足りないと言うが、どの口がそんなことを言うのですか。ベトナム戦争のとき、韓国軍が私たちベトナム人に何をしたか知っていますか?何万人もの人々を虐殺し、挙句に多くのベトナム女性を強姦したではないですか。現在、ベトナムには韓国人によって強姦された私生児が一万人以上いるのが、その証拠でしょう。しかし私たちベトナム人は、君たち韓国人に謝罪と賠償を求めたりはしません。なぜだかわかりますか?」
「……いや」
「それはね、そのようなことを行わないことが、〝国際社会の常識である〟と私たちは知っているからですよ。誇り高いベトナム人は、そのようなことはしないのです」
このベトナム人留学生の一言に、一座は水を打ったように静まりかえった。
著者がベトナムや韓国で地道な取材をし書かれた本書。
取材は13年にも及び、ベトナムに16回。韓国に10回。
30人のベトナム人被害者。
20人の韓国軍兵士から話を聞いています。
韓国では今、ベトナム戦争時の韓国軍による「ベトナム人虐殺事件」を解明しようとする動きがあるという。
しかしこの事件について報じた韓国メディアは、韓国軍の退役軍人らに襲撃されるなど、長くタブーとされてきた問題らしい。
経済的に強く結びついた韓国・ベトナム両政府は、この問題に蓋をして、真実を闇に葬り去ろうとしてきた。
「ライダイハン」は軍人によるものかと思っていたが、実際は出稼ぎ労働者による被害が80%だという。
だったら、ちゃんと嫁として連れて帰れ。
そんな怒りもあったりと・・・
とても考えさせられる内容でありました。
戦争の描写は読みたくなくなるようなモノがたまにある。
本書でそんな描写がいくつかありました。
『婦女を輪姦し、乳房をナイフで切り取ったあと、女性器を銃剣でかき回して殺害』
『兵士が持つ銃剣に、輪投げのように乳児を投げて殺害』
『子供は死んだ母親のもとに這って行きお乳を吸った』
『戦車で遺体を踏み潰した』
悲惨な文章を目にすることで、いま、自分が如何に幸せなのか。再認識出来ることに、感謝しようと思います。
36 th in May / 142 th in 2023