老人漂流社会 / NHKスペシャル取材班


歳をとることに罪はない。

自分の将来や老後に不安を抱いている人がほとんどだろう。

結婚をしていない人、子どもがいない夫婦、離別した人、頼れる家族をもたない人。

歳を重ねるにしたがって不安は増える一方。元気なうちから老後に備えて、どこで死ぬかを決めている人はあまりいない。

自分の親がひとりで暮らせなくなったとき、どういう選択をするのか決めている人も、あまりいない。

ひとり暮らしができなくなった途端「漂流」する。そんな実例をたくさん紹介しています。NHKスペシャル(2013年)の書籍版です。

年配者は「迷惑をかけたくない」とみんな言う。本質は「迷惑をかける存在ではなく、誰かの役に立てる存在でありたい」願いだという。

「誰かの役に立つ」ことや「頼ってもらう」ことは、生きていく上ではとても重要なことなのかも知れない。そのためには、できるだけ社会から孤立させるべきでは無いのだろうが、実際は「孤立」どころか「漂流」までたどり着く。

自分や家族の老後の不安を感じるのはもちろんですが、紹介されるエピソードの一つひとつが、もし自分が当事者になったらどうなのか考えると、とても切なく悲しくなってしまう内容でありました。

歳をとることは決して「罪」ではない。

取材された男性が最後に言ったことが、とても印象的でした。

「普通に生きてきて、最後、何でこんな人生になったんだろうね……」

自分はそんな言葉を言う前に・・・

ポックリ死にたいものです。笑

07 th in May / 112 th in 2023