ミスセブンティーン・コンテスト九州大会。
優勝したにも関わらず、本選を辞退した少女がいた。
親と学校の猛反対により、辞退したのだと言う。
そのコンテストを録音したテープを聞いた著者。
その歌声に衝撃を受けたと言う。
それから始まる、少女、そして家族への説得。
その歌声に対し称賛する著者に反して、
レコード会社の同僚や音楽関係者など。
冷ややかな反応だったという。
そんな反応にもめげず、少女をデビューさせるため猛進する著者。
母親と父親に面会。
なかなかもらえない許可。
反対する父親は娘にこんなことを言っていたと言う。
お前に才能があるなら、レコード会社の方から誘いがあるはずだ。
実際に現地を訪れデビューを懇願する著者。
実際に誘われて混迷する父親。
そして娘は歌手になれないのなら家出する。そんな脅迫めいた言葉を父親に投げかけ、執念に負けた父親は、著者に連絡を取りデビューに向けた行動に動く。
父親の出張に合わせて聖子は一緒に上京。
最後、父親と分かれる間際、喫茶店で聖子が泣いた情景が描かれています。
「ザ・ベストテン」で松田聖子が1位になった時、お母さんが中継で登場し、父親と電話で話す場面があった。
当時、松田聖子が「おかーさーん」と言って泣くシーンがあった。ぶりっ子キャラもあり、本当は涙が出ていないとか話題になったのをよく覚えている。
本書を読んでから、そのシーンをYou Tubeで探したら出てきたので、見てみたが・・・
父親が電話で、その喫茶店で起きた出来事を語っているシーンがあった。
恥ずかしながら、涙してしまった。笑
それくらい、デビューまでこぎつけた本人の強い意志と、著者の努力、そして行動力に感銘させてくれる内容でありました。
今の様にSNSやインターネットもない時代。
著者は上京するまで、松田聖子から送られてきた6通の手紙を、
今も宝物にしていると言う。
私は特別、松田聖子が好きと言うわけでもなかったが、
時代を席巻し、社会現象まで起こしたアイドルの一人と言ってもいいだろう。
そんな影で繰り広げられていた数多くのエピソード。
どんな場所に連れて行っても高評価。そして人間性やスタッフに対するふるまいなど。松田聖子という人間は、歌の才能以上に人間的に称賛レベルだったという。
松田聖子=ぶりっ子
嫌う人間はたくさんいたけれど、それ以上の物がたくさんあった。
だからこそ、今でも第一線で活躍できるのだろう。
そんなことをたくさん知れることが出来て、
とても有意義な1冊でありました。
28th in December / 374th in 2022