医者を志し、医大入学から卒業まで。
けして裕福ではない医大女子。
そんな主人公におとずれる苦難やラブロマンス。笑
特に学費を捻出するため四苦八苦する様子が、
とても印象的でした。
医者=金持ち。
そんな印象はあるし、医者を志すものは金持ちの子供。そんなイメージがある。しかし、この本の主人公のように普通の家庭に育ったものにとって、医大というハードルは高い。学力以上に親の財力を必要とするものだと痛感させられる。
当たり前ですが、医大に入れればみんな医者になれるというわけではない。
あきれるほど勉強をし、医師という肩書や安定した大きな収入への野望だけで、これほどまでに長く辛い下積みはそう簡単に我慢できるものではない。
医者になれば、経済的・社会的恩恵は大きいが、どの学生も長い学びのあいだに医師とは、命とはという命題に一度は突き当たり、悩み自分なりの結論と正義を持って患者と対峙出来るようになる。
本書はフィクションですが、これだけの努力をするための信念と、努力出来る才能がある人間でなければ、医者になれないのでは。
そんなことを感じさせてくれる1冊でありました。
私が好きな小説家に、南杏子さんという人がいる。
33歳。長女が2歳のときに医学部に入学、それから医師になり、50歳を過ぎて小説家デビュー。ヒットを数多く飛ばした。
どんだけすごいんだ。
あらためて思う。
加えて、私は生まれ変わっても、医者になれないだろう。笑
そんなことを思う。笑
23th in December / 369th in 2022