生まれながら病弱だった主人公は、様々な治療をするが良くならず、父の同僚から勧められた水を使い効果が現れたことで、新興宗教にハマって行く。なんの疑問も無いまま主人公は育つが、中学校に上がると周りとのすれ違いを認識していく。
親の愛情により家族3人の絆は深い。
周囲から見れば深刻な状況なのだろうけれど、
主人公は幸せを感じ、その言葉は温かい。
世間で語られる新興宗教やオカルトなど。
本書ではそれほど深刻ではない分、
自分が物心ついた頃から当たり前だったことが、
目の前に現れる嫌悪感を逆に感じ取れる。
そんな内容です。
自分は新興宗教など、とても否定的に避けている方だと思う。
しかし宗教とかそんな大げさなものでは無くても、
親が子供にこうして欲しい。
こうならなければダメ。
例えばいい大学に入って有名な会社に入れだとか、
公務員は安心だから・・・
そんな風に物心ついた頃から言い続けることも、
宗教の信者2世を作っている行動と、何ら変わりのない行動でなないのか。そんなことを痛感させられる。
安倍総理の暗殺から某宗教団体に世間の目は向いている。それを世間は「悪」として攻撃する。しかし、それらを心のそこから信じている人には目を向けない。
大学くらい出ておかないと。
公務員は安心。
そんなあなたも教祖様、信者を幸せに出来るのか。
実際は、不幸せにしてしまうのでは。
たくさん考えさせてくれる1冊でありました。
本書の描写より状況はもっと悲惨なのが容易に想像できるが、主人公の満足感と言葉がそんな状況を想像させません。しかし、ほんのり見える生活レベルの下降感の描写がお見事です。笑
本書は芦田愛菜主演で映画化になりました。
You Tubeで予告編を少し見ましたが、
ほぼ原書を再現できている印象です。
本を読めない人には、是非、映画を見て欲しい。
そんな風に思える1冊でありました。
26 th in October / 294 th in 2022