痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか/ 安田理央

アダルトメディアの女性は男性の性欲の対象として、どのように描かれてきたのか。どう変化してきたのか。「美少女」「熟女・人妻」「素人」「痴女」「ニューハーフ」5つの属性に分類し詳細に綴られています。

「痴女」は誰がどのように作り上げてきたのか。

いやらしい言葉を発しながら男を責め、その行為により自らも発情していく。「痴女」は90年代になって作られた。80年代以前のアダルトメディアでは、そうした「痴女」が登場することはなかったという。

しかし、それは90年代になって唐突に出現したわけではない。何人かのプロトタイプとなるキャラクターを経て、次第に「痴女」像が練り上げられ成立していった。そしてその「プロトタイプ」の一人として取り上げられていた「豊丸」当時、テレビにもよく出ていたので、非常によく覚えています。笑

1988年「吸淫力~史上最強のワイセツ」でデビュー。淫乱ブームを牽引した豊丸。「男をファックする」女がここまで露骨に本能丸出しで、セックスを楽しんでいる姿は誰も見たことがなかったので、当時の男たちは頭をハンマーで殴られた様な衝撃を受けた。私もそうだった。笑

その大胆で派手なセックスは話題となり、シリーズのタイトルから「淫乱女優」の異名がついた。目も口も大きく派手な顔立ちであり、体つきもどこか日本人離れしたところがある豊丸は、可憐な美少女が人気の当時のAV業界では主流になりえないルックスではあったが、その過激なセックスパフォーマンスは、大きな話題を呼び、時代を代表する女優となった。 

なにしろ○○は当たり前。○○○2本同時○入に、○○などの異物挿入で、見るものの度肝を抜く。感じっぷりも凄まじく、白目を剥いて、その大きな口を開いて絶叫し、痙攣する姿はそれまでの日本人女性のそれとはあまりに違うダイナミックなものだった。

 実際の彼女は、しっかりとした常識人だったという。ベテラン男優・加藤鷹が「今までからんだ中で一番の女優は?」と聞かれて彼女の名前をあげたというエピソードがあるという。見た目だけの派手なセックスをする女性ではないことがわかるのだが、世間が持つイメージはやはりキワモノにすぎなかった。

豊丸はよく覚えていますが、作品は見た印象はありません。せっかくなので、こんど是非鑑賞しようと思います。笑

12th in October / 280 th in 2022