ミッキーマウスの憂鬱ふたたび / 松岡圭祐

おみごと。ミッキーファンになりそう。笑

「ミッキーマウスの憂鬱」を読んだので、そのまま流れで読了。前作同様、東京ディズニーランドでアルバイトをする女の子。「カストーディアルキャスト」という清掃係のお話です。フィクションなのでどれくらい本当なのかわかりませんが、ディズニーランドの裏側や上下社会や階級制。アルバイトなので知ることの出来ないたくさんの秘密。とても興味をそそられる内容です。そんな反面「夢と魔法を維持するための正社員」知らなければ持てる、提供できる「夢」もある。大人の事情にそんなメルヘンな部分もあるのかと思ったり。笑

TDLが大好きだった母なのに、自分の娘が「清掃スタッフ」として就職したことに関して納得行かず、足も遠のく。転職を娘に勧めるくらい、自分の娘の職業に引き目を感じている。それでも女の子が前向きに仕事に取り組んでいく様子がとても微笑ましい。

前作より青春感している感じで、とても引きつけられて読める印象です。前作とはどれくらい離れているのか調べたら、なんと16年。そんな離れた年月の前書から続編を出すあたりもすごいですが、著者のテクニックと言うか、引きつけられる展開と物語のキーとなる人物や経験値。

・TDLの都市伝説

・猟友会

・ボルダリング部

すべてが上手くつながっていて、本当にお見事です。前書ではミッキーマウスに入るキャストの人間像まで触れていましたが、本書で登場するミッキーマウスはまさに夢の国のキャラクター。

主人公を要所要所で励まし、これから頑張る力を与えてくれる。そんな素敵なキャラクターに徹しています。もちろんフィクションなので、本当ではないのでしょうが、ミッキーマウスのファンになりそうです。笑

ミッキーマウスやTDLが好きな人にはもちろん、自分の仕事は大好きなのに、家族から共感を得られない。そんな人には涙が出るほど、感動できるほど素晴らしい。そんな本書でありました。

28 th in September / 266 th in 2022