ミッキーマウスの憂鬱 / 松岡圭祐

先日読んだ「小説家になって億を稼ごう/松岡圭祐」で著者が小説を書く術について解説されていた。そんな手法でどんな小説を生み出すのか。そんな興味から手に取ってみる。普通は小説を読んで、小説を生み出す方法について興味が出るのかもしれないが、順番はどうでもいいかとそんなことを思う。笑

小説の時間軸は3日。私が読んだ小説で、これほど時間軸が短いものがあっただろうか。著者の小説を創作する「想造」と言う手法について、作品を読んであらためて小説家の偉大さに感服です。笑

本書はTDLを舞台にした、新人バイトの三日間を描いた小説です。

働くことになったのはディズニー美装部。仕事は着ぐるみ着替えの手伝い。ミッキーに関われるのかと思えば、全然下っ端。関われるどころか、ミッキーを演じるキャストは神様レベル。笑 訪れるお客さんの夢を奪わないように。そんな目的からありえないくらい極秘事項。そして夢の世界の裏は、ありえないくらいの上下&階級社会。笑

そんな激動の三日間。ミッキーの「着ぐるみ」が紛失する。「着ぐるみ」が失くなった。ただそれだけなのかと思うが、そんな単純なことでは無い。

ミッキーの「着ぐるみ」は何着もある。

ミッキーの「着ぐるみ」はグレードが沢山ある。

ミッキーの「着ぐるみ」について本社との契約。

ミッキーの「着ぐるみ」は国際問題に発展する。

ミッキーの「着ぐるみ」からブッシュと小泉が出てきた。笑

どんだけ物語を膨らませてくれるのか。

本書はすべてフィクションですと、普通に最後書かれていますが、どれくらい本当の東京ディズニーランドにあることで、どれがでっち上げなのかはわかりませんが、万人が楽しめるコンテンツの裏にある、組織や人間模様のドラマをとても臨場感も含めて感じさせてくれる1冊でありました。

私は特にディズニーファンではありませんが、偉大なヨメは大好きです。ヨメの好きな分野を少しでも勉強できたと言うことで、大変有意義な1冊でございました。笑

25 th in September / 263 th in 2022