Paix2 (ぺぺ)という女性歌手デュオ。本人描き下ろしのドキュメントです。
1日警察署長をつとめた際に「受刑者に聞かせたい」という署長の言葉から、その後すぐに動き出し、10年300回にわたるプリズンコンサート。現在は600回以上らしい。
本人たちが「慰問コンサート」という上から目線の言葉を使用するのに抵抗があり、
刑務所、監獄、牢獄の意味を持つ「プリズン」を使用し「プリズンコンサート」と呼んでいるらしい。
「刑務所いたけど何か質問ある?/堀江貴文」で「受刑者のアイドル」として、登場していたので興味が出たので読んでみる。笑
Paix2の育ての親、片山さんの行動力や発想力にはとても関心します。
別々の歌謡選抜に出場していた、MegumiとManami。二人を引き合わせてインディーデビュー。アポ無しで売り込む姿や行動力は健在で現在もマネージャーとして活躍。
刑務所にはコンサートをするための音響施設が無いので、それらを積んだ車両で全国を縦横無尽に行脚する様子は、とても興味深く読ませていただきました。
彼女らふたりとも、就職した後に退職してから音楽の道を目指す。
Manami(マナミ)さんは岡山大学固体地球研究センターの技術補佐員。
Megumi(メグミ)さんは倉吉市の病院の看護師。
退職して歌手を志すことを、家族には大反対されたらしいが、現在は応援してくれているという。
元受刑者の方の中には、2人の歌に出会えたおかげで社会復帰ができた。
心の応援歌として辛いときに何度も思い出して励まされた。
とわざわざ手紙を送って下さる方も大勢いる。
お金を持って来る人もいるという。
刑務所でのコンサートは基本的にボランティア。
活動を開始してから数年の間は会場までのガソリン代はもちろん、ギャラは無いので収入にはほとんどつながらない。
理解されないことも多かったが、徐々にプリズンコンサートの活動が使命感に変わっていく。
人生には裏と表がある。
家族団らんであったかい時間を過ごしている人がいる一方。
刑務所の塀の中で制約だらけで生きている人もいる。
その対局を両方見れることで、今自由に暮らせている私たちがいかに幸せか。恵まれているのか。
当たり前に感謝しなければならない。笑
そんな考えが、犯罪防止に繋がるかもしれないという。
刑務所に収監されている本は何冊か読みましたが、
刑務所を外部からの目線で感じられる本書。
やっぱり刑務所には行きたくないですね。
皆さん、真面目に生きましょうね。笑
16th in August / 227th in 2022